それでも雨が降るときは

ホリスティックに発達障害とつきあう

発達障害者の血糖管理~まずはグルテン・カゼインフリーを

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前回まで、発達障害と血糖調節異常の関連と、血糖管理についてお話してきました。



 

今回はその続きです。

 

低血糖にならないためには、栄養がきちんと吸収されることが必要ですが、

それを妨げるのが腸内環境の悪化。

そして、発達障害者は腸内環境が悪いことが多いという見方があります。

 

発達障害の子どもが変わる食事』という本によると、

自閉症の子どもは小麦に含まれるグルテン

乳製品に含まれるカゼインの悪影響を受けやすいそうです。

タンパク質を分解する酵素の働きが十分ではないので、

グルテンカゼインを完全に分解できないのだとか。

 

そうすると、グルテンがグルテモルフィンという物質に、

カゼインがカゾモルフィンという物質に変化するのですが、

この2つの分子構造は、モルヒネとよく似ているそうです。

その結果、モルヒネの使用で見られるような、

精神の高揚、興奮、痛みに鈍感になる、

頭がぼーっとして思考できなくなる、といった症状が起きると書いてあります。

 

こうした未消化の物質は通常、吸収されないはずですが、

発達障害者ではリーキーガットという腸の状態が見られることが多く、

小腸粘膜の継ぎ目が緩くなって隙間ができ、そこを通り抜けてしまうのだそうです。

 

腸内細菌のバランスが崩れることも腸内環境の悪化につながります。

カンジダ菌はごく普通に存在する真菌で、腸内が健康であれば問題ありませんが、

バランスが崩れると増殖してリーキーガットの一因となります。

 

酵母菌も、酵母は身体に良さそうなイメージがありますが、

これも日和見菌だそうで、調子のいいときは味方になってくれますが、

腸内環境が悪化しているときに摂るとますます悪化させます(う、裏切り者め…)。

 

私もかつては、粉物が大好きでした

(いちばん好きなおでんの具はちくわぶだったほど)。

パンももちろん大好きで、自分でレーズンから酵母を起こして

パンを作っていたほどでした。

私が習いに行ったパン教室の先生はアトピーがひどかったのですが、

リーキーガットによってアトピーも起こるので、今考えれば納得です。

仕事柄、毎日、相当な量のパンを食べていたでしょうから。

 

なので、まずは腸内環境を改善するために、

せめて小麦粉や乳製品はできるだけ控えた方がよさそうです。

糖質を摂るなら、パンや麺よりもお米を。

 

血糖の急激な上昇を抑えるという意味では、

普通のパンではなく低糖質なブランパン(ローソンなどでも売っています)

を食べるのもよいですが、グルテン(小麦タンパクと表記されていることが多い)

が含まれていることには変わりないので、

腸内環境のことを考えると、あまり常食はしない方がいいと思います。

 

この本には、ほかにも発達障害の症状を悪化させる食事や

摂るべきものについていろいろ書かれています。

子どもだけではなく、大人の当事者も参考にできる本です。

 

発達障害の子どもが変わる食事 (青春新書INTELLIGENCE)

発達障害の子どもが変わる食事 (青春新書INTELLIGENCE)

 

 

残念ながら、絶版のようで、中古で高い値がついていますが、

私は図書館で借りたので、お近くの図書館で探してみてください。

図書館の本を探すには、カリールローカルで検索すると便利です。

都内・県内の図書館の蔵書を一気に検索できますよ。

 

また、こちらの本もおススメです。

グルテンの怖さがわかるだけでなく、糖質依存から抜け出す方法についても

詳しく書かれています。

 

「いつものパン」があなたを殺す: 脳を一生、老化させない食事 (単行本)

「いつものパン」があなたを殺す: 脳を一生、老化させない食事 (単行本)

 

 

私は基本的に食にそれほど興味がないので、

こうした食事制限はそれほど苦ではないんですが、

美味しいもの大好きという人には大変かもしれませんね。

そういう場合は、逆に美味しいグルテンカゼインフリーな低糖質食を

追求してみるのもいいと思いますよ。

 

実践レシピ 「いつものパン」があなたを殺す では、何を食べる? (単行本)

実践レシピ 「いつものパン」があなたを殺す では、何を食べる? (単行本)

 

 

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ガイド 壮年期のアスペルガー症候群:大人になってからの診断は人生をどう変えるか

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こんなのもやってます。

 

発達障害者の血糖管理~糖質を減らしてタンパク質と脂質を増やすには

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発達障害傾向のある人は血糖値の急な変動に気をつけた方が

よいことを前回書きました。


じゃあ、糖質を単に減らせばいいのかというと、

そういうものでもなく、ヘタなやり方をするとかえって低血糖になることもあります。

 

糖質を減らす代わりにタンパク質や脂質を多めに摂ることが必要ですが、

女性や痩せている人はタンパク質の消化能力が低く、あまり入らないこともあります。

 

菜食の友人にタンパク質摂取の大切さを話したところ、

「お肉食べるとお腹壊す~」という答えが返ってきました。

なぜお腹を壊すかというと、タンパク質の消化酵素が不足しているからです。

タンパク質の消化酵素も実はタンパク質からできています。

つまり、タンパク質を摂っていないと消化酵素が作られず、

タンパク質が上手く消化できないことになります。

 

その場合は、消化酵素サプリメントを摂るのがおススメ。

「わかもと」や「エビオス」でもいいんですが、酵母が入っているので

酵母アレルギーのある人や、過敏性腸症候群のある人は避けた方がいいと思います。

私もお腹がぐるぐるいってしまってダメ。

そういう人はiherbで売っているこちらを試してみてください。

 

食事であまりタンパク質が摂れなければ、プロテインパウダーを摂る手もあります。

ただ、やはりプロテインはお腹がゴロゴロするという場合は、

アミノ酸パウダーから始めるといいでしょう。

アミノ酸はタンパク質が分解された形なので、吸収されやすいのです。

 

それならアミノ酸の形で摂る方がいいんじゃない、と思って

私はしばらくアミノ酸オンリーでした。

でも、可能であればタンパク質の形で負荷をかけてやった方が

胃の機能は高まるそうなので、最近は半々くらいの分量で摂っています。

同じくiherbでプロテインアミノ酸も買えます。

 

水で溶いただけでは飲みづらいので、カフェインレスコーヒー+豆乳と混ぜたり、

水+ココアと混ぜて飲んでいます。

100円ショップでプロテインシェイカーが売っているので

それでシャカシャカするとよく混ざりますよ。

  

筋肉をつけるのもここから。タンパク質が上手く摂れないうちに

筋トレをしても筋肉はつきません。

 

脂質も重要です。

タンパク質は筋肉や神経伝達物質を作ったりなど、多くのことに使われますし、

血糖の取り込みを促進して血糖値が急激に上がらないようにするためにも

筋肉は必要なので、できるだけタンパク質をエネルギーに回さない方がいいのです。

 

それでエネルギー源として脂質が上手く使えるようにならないといけないのですが、

やっぱり上手く入らずにお腹を壊すことがあります。

脂質の消化・吸収に関わる胆汁酸を作るコレステロール値が低いと

脂質があまり上手く消化できないかもしれません。

 

最近ココナツオイルが流行っているので使っている人もいるかもしれません。

糖質を減らした場合、エネルギーが不足することになりますが、

その代わりにココナツオイルを摂ると、

それに含まれる中鎖脂肪酸が早くエネルギーになってくれるのです。

中鎖脂肪酸を抽出したものがMCTオイル。

ココナツオイルが分解できない人もいるようなので、

その場合はMCTオイルから始めるのがいいでしょう。

少量から始めてみてください。

 

MCTオイルの方がさっとエネルギーになってくれるようです。

ココナツオイルは分解が必要な分、エネルギーになるまでに多少時間はかかりますが、

MCTオイルよりも長持ちするようです。

 

糖質をたくさん摂ったうえでココナツオイルやMCTオイルを摂っても

糖質だけで十分にエネルギーが足りてしまうので

エネルギー源として活用されずに単に脂肪になるだけだそうなので要注意。

ココナツオイルライスだとか、てんこ盛りのご飯にココナツオイルを

かけても太るだけですよ。

 糖質を減らさないで、ココナツオイルを摂るだけで

痩せると思ってしまっている人って結構いるみたいですね。

 

脂質を摂るというと、「太る~」と思っちゃう人もいると思いますが、

確かに、炭水化物をしっかり摂ったうえで油もたくさん摂ると太るかもしれません。

でも、炭水化物を減らせば太ることにはなりません。

 

中性脂肪=脂質」というイメージのある人も多いと思いますが、

意外にも、血液検査で測定される中性脂肪のほとんどは糖質由来だそうです。

だから、脂質を減らしても炭水化物ばかり摂っていたら痩せないのですよ。

 

参考までに、私は3年前に糖質制限を始めるまでは7~8年ほど菜食でした。

それほど厳格なベジタリアンではなく、最後の方は、

さすがにスタミナが出なくて、このままではまずいのではと思い、

魚は食べるようにしていたので、肉食を始めたとき

心理的にはかなり抵抗がありましたが)でも

わりと胃は受けつけてくれました。

 

それまでが絵にかいたようなヘルシー(と思っていたけれど

いかにそれが間違いだったか、知識のついた今となっては

当時の自分のバカさ加減に呆れます)な食事(和食が主)だったのが、

いわゆるカロリーの高い、一見不健康そうな食事になったのに、

健康診断のデータを年を追ってみてみると、

今の食事スタイルになってからの方が中性脂肪コレステロールも下がり、

善玉コレステロールが増えているんです。

 

ただ、私は元々痩せ型なので、中性脂肪はちょっと少なすぎるのが心配。

数値的には普通の医師にはまったく問題ないと言われるけれど、

分子栄養学の観点からすると、中性脂肪コレステロールが少なすぎるのも

問題なのだそうです。

細胞膜が弱くなるし、赤血球ってアンパンの真ん中を潰したような形を

してますけど、あの形が保てずに球状になってしまって、

毛細血管に入りづらくなって冷えが生じることもあるのだとか。

 

勉強すればするほど奥の深い分子栄養学。

発達障害精神疾患をどんどん改善しているのも分子栄養学です。

(正式には分子整合栄養医学(オーソモレキュラー医学)というのだけれど、

長くてめんどうなので分子栄養学や栄養療法と呼んでいます。)

 

その他にも、各種ビタミンやミネラルも欠かせません。

ただ、やはり吸収が上手くいかないことがあります。

その原因は胃腸がきちんと機能していないこと。

ピロリ菌がいる場合も吸収に問題が出ます。

腸内環境も重要なポイントです。

そう、実はこれ、発達障害者には欠かせない部分なんです。

それについてはまた次回。

しばらく血糖管理の話が続きます。

 

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こんなのもやってます。

 

 

 

 

 

発達障害と関係のある機能性低血糖症

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機能性低血糖症っていうものがあるのを聞いたことがあるでしょうか。

実はこれ、発達障害と関係があるらしいんです。

発達障害の治療の試み』という本には、「発達障害者は多くの場合に血糖調節能力に

 異常があることを確認している」と書かれています。

 

低血糖というと、一般的には糖尿病薬の効き過ぎでなるものと考えられていますが、

血糖調節能力に問題があることから低血糖になる場合があります。

それが機能性低血糖症呼ばれるものです。

オーソモレキュラー(分子整合栄養医学)では、発達障害だけでなく、

うつ病パニック障害低血糖が原因であることが多いと言われています。

 

私も自分が低血糖になりやすいということは昔から自覚していました。

お腹が空いてくると、手の震えがくるほどだったからです。

確か、ドナ・ウィリアムズの本にも、甘いものを摂ったときに異常な状態になる

ことが書かれていた記憶があります。

 

それで、とにかく糖質を欠かさずに摂って、

血糖が下がらないようにしないといけないと考えていました。

一時期はブドウ糖の飴を持ち歩いていたほどです。

 

でもそれは、まったくの間違いで、

私のやっていたことは低血糖を逆に悪化させていたんです。

 

それを知ったのは3年ほど前に吉濱ツトムさんの本を読んだとき。

発達障害者は低血糖になりやすいこと、

それには糖質制限がよいことが書かれていました。

 

まさに目からウロコ。

糖質制限??!! 

なんか巷で流行っているらしいことはうっすらと知っていましたが、

やせの私にはまったく興味がありませんでした。

 

そうと知ればさっそく実験。

その結果、驚くほど情緒は安定し、頭のモヤも減って頭が働くようになりました。

糖質制限だけではなく、栄養療法も実践し、3年経った結果、

自分の身体・精神状態が大きく変わり(人生も)、

糖質制限と栄養療法の効果を確信したのです。

 

さて、疑問に思う人がいるかと思います。

なんで低血糖なのに糖質を減らすの?ますます下がるじゃん?って。

私も最初、不思議に思いました。

でもこういうことだそうです。

 

糖質を大量に摂ると、一気に血糖値が上がるので大量のインスリンが分泌され、

その結果、短時間で血糖値が一気に下がって低血糖になるのだそうです。

低血糖になりやすい人ではインスリンの分泌が若干遅れ気味になるために

血糖値がガーっと上がって、その大きく上昇した血糖値を下げるために、

少し遅れて大量のインスリンが分泌されるという話もあります。

 

これを反応性低血糖というのですが、こうして一気に血糖値が下がった後に、

身体がアドレナリンなどの血糖を上昇させるホルモンを分泌して

また一気に血糖値が上昇し、それに対してまたインスリンが分泌されて

また血糖値が急降下するということがあります。

それを乱高下型低血糖といいます。

急にイライラしたかと思えば一気にやる気がなくなったりして、

気分も血糖曲線のようにジェットコースター状態になります。

 

さらに、今度は糖質を摂ってもほとんど血糖値が上がらなくなり、

ずっと低血糖の状態が続く無反応性低血糖というものがあります。

こうなると、四六時中、やる気がなくてうつっぽい状態が続くわけです。

 

低血糖を防ぐためには、急激に血糖値が上がらないような食べ方を

することが必要です。それが糖質制限食というわけです。

 

糖質制限といってもただ糖質を減らせばいいというわけではなく、

その代わりのエネルギー源となるタンパク質や脂質を増やさないと、

かえって低血糖になってしまいます。

 

また、糖質というのは外から摂らなくても体内で糖新生ということを行って

作ることができるのですが、それにはビタミンB群などの各種栄養素も

補酵素として必要です。

お酒の飲み過ぎで肝臓が疲れていれば、

糖新生も上手く行われないでしょう。

もちろん、胃腸が悪ければ栄養が十分に吸収されないので

低血糖になりやすくなります。

 

筋肉量も大切で、筋肉は動かしていなくても糖質を摂り込んでくれるので、

筋肉が少なければ、血糖値は上がりやすくなります。

 

ざっと書きましたが、ひと口に低血糖症対策といっても多岐に渡ります。

面倒くさいといえば面倒くさいのですが、

この対策をするかしないかで天国と地獄ほど変わってくるので

発達障害者はあんまり軽視しない方がいいかと思います。

 

この急激な血糖値の上下は最近は「血糖値スパイク」として

NHKでも取り上げられていますが、まだまだ精神状態との関連については

大きく取り上げられていません。

実は、発達障害者じゃなくても、誰でも起こり得るものなんですよね。

 

探してみたら、こんなわかりやすい記事がありました。

コンパクトにまとまっているのに、対策もしっかり書かれています。

 

 

タ〇タのコラムだというのは後から気づきました。

ついにタ〇タ糖質制限食を導入⁉と思ったけれど、

社員食堂レシピを見てみたら…(^^;)。

せめて、ご飯は半分にして豆腐にでも替えた方がよいのでは…。

カレーうどん定食食べた後に血糖値測ったらすごそうね。

ま、これで「ヘルシー」と全国的に広まっちゃっているので

方向転換するのは勇気がいるよね。

 

うつと低血糖については日経でも取り上げられていますね。

 

こちらもご参考に。

 

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こんなのもやってます。

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育ての親はインド人

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先日、またインド映画を観てきました。

 


 

最近は映画を観に行くとなるとインド映画ばっかりのような気がするけれど、

それは単に、見逃すとテレビじゃ放映されないからです。

観たくてもそのうちにテレビやオンデマンドで放映されそうな映画は

後回しになって結局観そびれています。

 

でも思えば、20代の半ばくらいまでは小難しいアートムービーしか観なかったのに

今ではハリウッド映画も楽しめるようになったのは、

インド映画を観るようになってから。

この作品も典型的なマサラムービーで、笑いあり、涙あり、踊りあり。

それにしてもインドの男優はすごいですね。

女優はすっかり顔ぶれが変わっているのに、

主役のサルマンは昔と変わらずトップスター。

もう50過ぎてるのに、あんまり変わらないよね。

 

この映画を観ていたら、ちょっとインドが恋しくなってしまいました。

ちらりと書いたことがありますが、私は現地の音楽を習いに

20年来、彼の地と日本を行ったり来たりしていました。

 

振り返ると、今の私があるのはインドのおかげといっても過言ではない。

まさにインド人に鍛えられて育ったという感じ。

療育も何も受けてこなかった私が、今こうして何の支援もなく自活して

生きていられるのは、インドでの生活が荒療治となったからと言えるかもしれません。

 

今じゃだいぶ便利になったけど、何しろ予定通りに行かない国です。

昔は電車だってヘタすると12時間遅れなんてことも珍しくありませんでした。

飛行機ですら、パイロットがいなくて欠航だなんてことがあったほど。

要は、柔軟性に欠けて予定変更に弱いアスペな私には大変だったのですが、

あんまりそんなことが日常茶飯事になると、それが当たり前になってしまい、

常に予定通りに行かない場合を想定するようにまでなりました。

 

もちろん、そうなるまでにはパニクったり怒りまくったりしたのですが、

インド人っていうのはわりとそういうのを受け止めてくれるんです。

インド人って、発達障害っぽい人が多いと思いような気がします。

発達障害の基準に合わないインド人を探せっていう方が大変そう(笑)。

まあだいたい、最近は変わってきているだろうけど、

そもそも同じカースト内で結婚する場合がほとんどだから、

遺伝する確率も高いでしょうし。

数学者のラマヌジャンなんかも、映画を観ると発達障害っぽい。

ITに力を入れているインドは発達障害的才能を上手く活かしていると言えます。

この映画の主人公も、何度も落第したり、訊かれたことはすべて

馬鹿正直にしゃべってしまったりして、それっぽい感じです。

 

だから、機嫌悪くてつい無愛想になってしまっても、皆そうなので後を引きません。

日本では大変なことになりますが。

何かあの人、私のこと怒ってる?と思うような態度を取られても

次に会ったときにはニコニコ話しかけてきたりするので

単にそういう気分だったというだけのことなのです。

 

女性の愛想があまりよくないのも私にとっては楽でした(笑)。

インド映画を観るとよくわかると思いますが、ヒロインってたいていツンデレ系です。

この映画でもそうでした。

ただ、海外に出るとわかるのですが、

日本人女性ってちょっとニコニコしすぎかもしれません。

目が合っただけで意味もなくニコッと微笑んだりするので、

気があると思われてトラブルになることもたまにあるようです。

 

そういえば、私は西洋人からは「日本人って何考えてるのかよくわからないけど、

キミはわかりやすい」と言われたことが何度かあります。

特に西洋人と気が合うってわけでもないんですが、

無意味にニコニコしないのと、ストレートな物言いからでしょうか。

日本では評価されない部分が、外に出ると評価されたりするんですよね。

そんな経験も、日本社会に埋没して自分の個性を全否定せずに

別の視点をもてた理由かもしれません。

ひとつの場所での価値観が世界の絶対的な価値観というわけではない

というのを肌身で感じてきたからです。

 

その他にも、いろんな目に遭ったので、ずいぶんと勉強になりました。

インドでは音の洪水の中で暮らしていたので、日本はものすごく静かに思えるし。

 

子どものころは学校を休んでも気づかれないほど大人しく

学芸会の役割が一人だけ決まっていないのに言い出せずに(誰にも気づかれずに)

どうしたものかとずっと一人でウジウジと悩んでいた子どもが

将来こんなになるとは、誰が想像したでしょう(笑)。

 

おそらく愛着障害もあるだろう私が多少なりともそれを解消できたのも

今は亡き、音楽の最初の師匠のおかげだったと思います。

 

インド映画って大袈裟なようでいて、実際のインドもそんなに違わないと思う。

厄介(ときにはうっとうしい)けれど、人情に厚くて懐の広い人たち。

この映画もそんな人情に、最後は泣けました。

やっぱりインドは好きだなあと思う。

 

 

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発達障害児の栄養の問題は早めに対処

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発達障害者には栄養不足がよくみられることも

最近では知られてきました。

 

どんな栄養素が必要で何が必要でないのか、

それを正確に知るには血液検査が必要です。

 

オーソモレキュラー療法(分子整合栄養医学)クリニックで

そうした検査や食事指導、サプリメント処方などを

受けることができますが、やはりお金がかかるため、

興味はあっても続ける自信がないという方もいるかと思います。

 

でも、なんと、5歳までの子どもをもつお母さんと

発達障害を疑われている12歳までのお子さんに、

1年間無料で栄養素補充のためのサプリメントを提供している

機関があるそうです。



血液検査代や診察代は自己負担だそうですが、めったにないチャンスです。

ご興味のある方はぜひ問い合わせてみては。

 

栄養療法については、こちらにも云々書いています。

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発達障害者はうま味成分に注意が必要

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最近は、オーソモレキュラー療法(分子整合栄養医学)に興味をもって

オンライン講座などで細々と勉強しているんですが、

単にサプリメントで栄養を補うっていう療法ではなく、

実に複雑で、何を摂らないかという考えも大切だということがわかりました。

う~ん、そうだったのかーということがしょっちゅう。

 

先日も、発達障害者はグルタミン酸をあまり摂らない方がよいということを知って

目からウロコでした。

まあ、添加物として使われている化学調味料が身体によくないというのは

誰でも聞いたことがあるかと思います。

でも、グルタミン酸って天然の物質で、昆布やトマト、チーズ、小麦粉

なんかにも含まれています。

 

グルタミン酸は何も悪者ではなく、記憶や学習を助けてくれます。

興奮性の神経伝達物質で、鎮静系のGABAに変換されますが(ビタミンB6が必要)

グルタミン酸が過剰だとGABAへの変換が抑制されるそうです。

 

なので、グルタミン酸とGABAのバランスが大切なのですが、

発達障害者ではもともとグルタミン酸が過剰なのだとか。

それで発話に関係するGABAが少なくなることで、

言葉の遅れが見られたりするそうです。

 

だから、発達障害者は定型発達者よりもうま味成分の摂取に

気をつけた方がいいのです。

もちろん、完全に避けることは無理だし、過剰に神経質になる必要はないけれど、

自分の脳の調子によって、食べるものには十分気をつけた方がいいですよね。

 

ちなみにグルタミン酸って味噌や醤油などの発酵食品にも含まれています。

腸にいいからといって、発酵食品を食べまくるのも考えものです。

緑茶にも含まれているそうですが、たぶんこれは、テアニンという成分のことで

テアニンは玉露だとか高級なお茶にしか豊富に含まれていないので

安い緑茶はあんまり心配ないんじゃないかと思います。

日光に当てずに被覆することで増える成分なので、

手間がかかるから玉露は高いのだとメディカルハーブの授業で聞きました。

 

でも最近、睡眠の質を高めることを目的としたテアニンのサプリメント

出ているみたいですね。

 

これも、正常な脳みそであれば

グルタミン酸とGABAのバランスが摂れているので、

テアニンを摂ると鎮静系のGABAに変換されて

良質な眠りが得られるということなんでしょうけど、

脳内のグルタミン酸が過剰な発達障害者が摂取しても

GABAには変換されずにますますグルタミン酸が増えることになるので要注意です。

 

ちなみに、アミノ酸グリシン同じく睡眠の質を高めると言われていますが、

これもグルタミン酸/GABAのバランスが取れていないと

過剰な方に傾くそうなので、発達障害者向きではありません。

私も以前に摂っていましたが、それを知ってやめました。

そもそも、鎮静系のGABAの方が多ければ、ぐっすり眠れるはずなので、

そういったサプリが必要なこと自体がグルタミン酸過剰なことを

示しているという話もあります。納得。

 

そういえば、ちょっと前に自閉症を対象にした栄養療法セミナーに

行ったときにもグルタミン酸/GABAバランスの話がありました。

 

隣りに座っていた方が偶然にも同じく発達障害当事者でADHDの方だったんですが、

もう長く栄養療法を勉強されているそうで、知識豊富でした。

曰く、「栄養療法って昔はグルタミン摂れ摂れって言ってたけど、

今じゃ摂るなだもんね」だそうです。

確かに、グルタミンには腸管の保護作用があるんですよね。

栄養を吸収するためには摂っておきたいところ。

でも日々知見は更新されていくんだなと。

 

じゃあ、そんなにすぐ変わるんじゃ勉強するのってバカバカしい、

と思いたくなりますね。

でも、たとえば、すでに海外では糖尿病にはカロリー制限じゃなくて

糖質制限が必要というのは当たり前になっていますが、

日本ではまだまだ糖質制限を認めない医師もたくさんいます。

それを考えると、これまでの考えに固執せずに、誤りだとわかったら

さっさと捨てて新しい正しい知見を採用するオーソモレキュラー系の

人たちの方が潔くて信用できるような気がします。

この人たちは、日々大マジメに患者を治すべく論文読みまくって

新しい知見を探しているんだと思うと脱帽です。

 

まだまだ知られていないオーソモレキュラー療法だけれど、

自分なりの試行錯誤でも心身ともに大きく楽になってきたので

効果のほどは実感しています。

なので、私はこれについていこう。

だって、もっとよくなりたいから。

嘆いていてもどこにもたどり着かないので。

こんなに複雑で難しいことを勉強するのが楽しいと思えるようになったのも

脳がちゃんと機能するようになったおかげ。

  

グルタミン酸のことも含め、発達障害者の食事について書かれた

わかりやすい記事はこちら。

食事について、定型発達者とは違う発達障害者ならではの注意点があるのだとしたら

発達障害は個性」で片づけるのってやっぱりどうなの、って思います。

楽になれる情報があるんだから、その機会を奪わないでほしいと思う。

 

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最近はこちらにも書いています。

 

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ガイド 壮年期のアスペルガー症候群:大人になってからの診断は人生をどう変えるか

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言葉の獲得

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私は子どものころ、母親から「この子はうんとかすんとかしか言わない」

と言われていました。極端に無口な子どもで、「日曜日、どっか行きたい?」

と訊かれても、「別に」としか答えない可愛げのない子どもでした。

 

今思えば、子どものころに私が生きるのが大変だと感じていた理由のひとつは

言葉が上手く出ないことだったような気がします。

自分の感情を言葉で表すのは今でも得意ではありませんが、

当時は必要なことを話すのすら大変でした。

 

それはまるで、外国語を話すようなものだったのかもしれません。

バイリンガルでもない限り、自分の言いたいことを淀みなく

外国語でスラスラと言える人はほとんどいないでしょう。

たいていは、この単語がしっくりくるか、それともあの単語かと

山積みになったおもちゃ箱から欲しいおもちゃを探すように

言葉のストックからぴったりの言葉はないか探り当てます。

子どもの私が母国語である日本語を話すのも、ちょうどそんな感じでした。

 

 そんなこと言ったって、あんたそんだけ長文書いてんじゃん、

と思う人もいるかもしれませんね。

どうして私がうっとうしいくらいの長文を書けるまでになったのか、

振り返ってみると、ちゃんと段階を経てきたことがわかります。

 

以前の記事にも書きましたが、子どものころは、マンガばかり読んでいました。

本もたくさん図書館で借りていましたが、

図書カードにスタンプが溜まっていくのが嬉しかった

(自閉っ子にありがちな、収集癖の一種ですかね)だけで、

大して読んではいなかったんです。

目の使い方が悪くて目が滑って(行が飛んで)しまったり、

遠視で目が疲れやすかったりしたこともあるかもしれません。

とにかく、絵でイメージ的に理解する方がうんと楽でした。

 

まず言葉を詰め込む第一段階として役立ったのは、

大学時代に始めた校正のアルバイトだったと思います。

原稿とゲラ(出力紙)を突き合わせて誤字脱字を探す作業ですが、

視覚情報処理は大得意なので、とにかく仕事が早かったんです。

一方で、ゲラのみで素読みする校閲は苦手でした。

つまりは、文字を言葉としてではなく写真として見ていたんですね。

校正の仕事は、その後も校正プロダクションから仕事をもらったり、

派遣の仕事で十年前くらいまで度々やっていましたが、

突き合わせの校正作業は原稿とゲラを並べて見比べるので

視線が左右に動くことから、遠視の私でも目が疲れにくかったように思います。

 

その頃に、私の中に大量の言葉が詰め込まれていったような気がします。

毎日目にしていたのは、一応プロとして食べている人たちの文章ですから、

一日中大量のツイッターを読んでいるのとは違って、

一定水準の文章が頭の中にどんどん入っていきました。

特に読書家というわけでもなかった私がその後翻訳者として

文章を書いて生計が立てられるようになった基盤も

それでできたのではないかと思います。

 

さて、インプットを大量にしたら今度はアウトプットです。

といっても、アウトプットしようなどと意識していたわけではなく、

ただ、将来を考えて手に職をつけようと思い、

不得意ではなかった英語にたまたま目をつけただけの話です。

この辺の経緯は近々あらためて書こうと思います。

 

「英語ができる=翻訳ができる」という図式は間違いで、

和訳に関して言えば、日本語の文章力がものを言います。

ついでに言ってしまうと、英語力は通訳ほど必要ありません。

時間をかけられるので、パッとわからなくても辞書を引いたり

調べ物をしたりすればいいからです。

 

そんなわけで、翻訳者として生計を立てることになり、

毎日4000文字ほどの日本語の文章を英語から起こす作業を

毎日毎日(いや、仕事のない日もあったけど)10年間やってきました。

 

よかったと思うのは、ライターと違って、自分で文章の構成を考えたり

しなくてすむことでした。

自閉症スペクトラムの人間は、何もないところから物事を生み出すのが苦手です。

何でも書いてよいとなっても、いや、何でもよいとなるほど、

何を書いていいのかわからなくなります。

まあ、ライターのお仕事は実際には何でもいいってわけじゃないでしょうけど。

 

翻訳の場合は、構成なんて考えなくていいし、そのまんま訳せばいいだけの話。

つまりは、純粋に「文章を組み立てる」ことに専念できるのです。

毎日その作業をやることによって、日常会話でもスムーズに言葉が

組み立てられるようになったような気がします。

今はもうほとんど苦労しません。

むしろ、物事の説明をするのは得意になってきたようにすら感じます。

 

ここにたどり着くまでには、相当な量をこなしてきたわけだし、

うんうん苦しみながらそれをやっていた時期もありました。

 でも、意図せず訓練してきたとはいえ、為せば成る、というのは

後から振り返って思います。

 

ついでに言うと、神経伝達物質のGABAって発話に関係するそうですね。

ちょっと前にバレリアンの記事を書きましたが、

その後も摂り続けていて、長文がやたらとすらすら書けるようになった気がします。

というか、ますます長文になってしまう(笑)。

さらに人からうっとうしがられそうね(笑)。

もしかしたらGABAが関係するのは話し言葉だけなのかもしれませんが。

でも、バレリアン摂っていると心が穏やかになるので、

今では寝る前だけじゃなくて日中も摂っています(^_^)v

(ああ、話がずれてしまりが悪くなったわね。)

 

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最近はこちらにも書いています。

 

こちらもよろしく。

 

 こちらも。

ガイド 壮年期のアスペルガー症候群:大人になってからの診断は人生をどう変えるか

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家族のかたちはさまざま

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家族というのは仲良くないといけないんじゃないかという

サザエさんコンプレックスみたいなのが昔からありました。

うちの家族というのは子どものころからまとまりがなく、

一応は家族旅行みたいなものもあったのだけれど、

みんなで仲良く一緒に行動するというようなものではありませんでした。

 

母は「お母さん、疲れちゃったからホテルで休んでるわ」

と言って一人でホテルに残り、

家族の一人は自分の興味に任せてさっさと先に歩いていくかと思えば、

別の一人はずいぶんと後ろをのんびりと歩いてくる。

いちばん協調性のある別の一人は、受動型アスペでボヤっとしている私の手を取って、

「あんたはアタシと一緒に来るの!」とせめてもの団体行動を取ろうとする。

そんな具合でした。

 

できるだけ良い人間になるべく努力をしていた時期には

家族ともできる限りいい関係を保とうとしていました。

 

それでも、やっぱり根本的に合わないものは合わない。

本来の自分とは別人になることを暗に期待されるのはやはりつらいもの。

すっかり疎遠になってしまった今では、

期待に添えなかったことをどこか後ろめたく思っていたときとは違って

なんだかすっきりしてしまった。

 

今はまったくバラバラになって会うこともほとんどない家族だけれど

不思議とこの形がうちの家族にはいちばんバランスが取れているような気もします。

こうなって初めて、家族に対して抱いていたわだかまり

なくなったのかもしれません。

家族の期待に沿えなかった自分を許すと同時に

私が私らしくいることを受け入れられなかった家族も許せるようになったのです。

 

「普通」から少しでもはみ出すことを異様に恐れる家族と

どうしたって「普通」にはなれない私。

誰しも能力に限界があって、誰もがそのときに自分ができる精一杯のことを

やっていただけなのだから。

 

どんな人間関係にも言えることで、無条件の100%愛情なんてほぼ存在しない。

何があっても一点の曇りもなく相手を受け入れるなんてできっこない

という不完全な自分を無条件に受け入れることからし

無条件の愛にはたどり着かない。きっと。

 

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そういえば最近はこちらでもブログ書いています。

 

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ガイド 壮年期のアスペルガー症候群:大人になってからの診断は人生をどう変えるか

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こんなのもやってます。

 

自分と他人の気持ちを取り違えないためには

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自閉症スペクトラム当事者は自分と他人の境界があいまいだということが

よく言われます。

 

そのせいで、他人は自分とは違う価値観をもっているということが

想像できなかったり、人はそれぞれ考えが違って当たり前なのだから

言葉にしなければ伝わらないということがわからなかったりします。

それでコミュニケーションに食い違いが出て、わがままで頑なに思われたり

することもよくあります。

 

その一方で、他者と上手くやっていくべく必死に努力してきた場合、

相手の気持ちを理解することばかりに集中してしまい、

自分の気持ちがわからなくなることがあります。

わからなくなっていることに気づいてすらいないこともあるのです。

 

こうした自他未分の状態にある人間が、「自我をなくす」ことを

良しとするような教えにはまった場合、その傾向に拍車がかかります。

自分の意志をもつことが自分勝手で悪いことのように感じられるのです。

特に日本では、謙虚であることが美徳とされるので、

さらに自分の意志は心の奥底に押し込まれてしまいます。 

女性であればなおさらです。

 

特に受動型アスペルガーは、人から期待されていることを

自分自身が望んでいることと取り違えやすいので注意が必要です。

実はもうボロボロなのに、それに気づかずに他人の期待に応えようと

精一杯の努力をしてますますボロボロになることがあります。

  

最近、一部の当事者のあいだで、支援を受けると支援者の顔色ばかり

うかがうようになって、自立が遅れる、あるいは自立できなくなる

というようなことが言われています。

これも、自分の希望よりも支援者の希望を優先させて

相手の言うとおりにすることで相手を喜ばせようとするという行動を

無意識にとっているとも考えられます。

これは、愛着障害もからんでくると、もっと深刻になります。

「見捨てられ不安」があると相手に逆らって自分の希望を通すことが

怖くてできないからです。

 

自閉症スペクトラムの人間が独りになりたがるのは、

意識して他人と自分を切り離す必要性からきているのかもしれません。

ある程度距離を置かないと、他人に左右されてしまって

自分自身が置き去りになってしまうからです。

 

そもそも自閉圏の人間は考えることは得意だけれど、

感情の取り扱いは苦手です。認識することすらままならない。

感情そのものはあくまでも機能の一部なので、いいも悪いもありません。

感情に振り回されることがいけないのであって、

冷静であることは大切だけれど、感情自体は必要な機能だし、

切り捨てれば必ずしっぺ返しが来ます。

たとえば、自分でも気づかなかった小さな怒りが積もりに積もって

ある日突然、爆発したりします。

「怒りを溜め込まないように小出しにしましょう」なんていっても

そもそも自分がムッとしたことに気づかなければ、表現のしようがありません。

 

感情の爆発を未然に防ぎ、感情に巻き込まれずに上手くつきあうには、

フォーカシングという手法がお奨めです。

これは、自分のからだの内側に意識を向けて、

感じられる感覚と対話するというものです。

ヴィパッサナー瞑想と似ていますが、ヴィパッサナーでは

感じられた感覚が変化するのをただ観察しますが、

フォーカシングではその感覚に積極的に意識を傾けて

それが言いたがっていることをただ聞きます。

感覚の言いなりになる、というのではなく、ただただ「へえ~、そうなんだ」

という感じで聞き流すのです。

 

 ある程度練習も必要だし、そもそも身体の感覚を感じることが苦手な人には

できるようになるまで時間がかかるかもしれませんが、

家で独りになる時間と空間がもてれば誰でもできるセルフヘルプ法です。

感覚と必ずしも対話しなくても、イメージとして感じるだけでもいいので、

言葉を使った療法が苦手な人にもやりやすいのではないかと思います。

本もたくさん出ているので、ぜひやってみてくださいね。

 

 わかりやすいのはこれ。

やさしいフォーカシング―自分でできるこころの処方

やさしいフォーカシング―自分でできるこころの処方

 

 

マインドフルネスの考えに馴染んでいる人はこちらが入りやすいかも。 

マインドフル・フォーカシング:身体は答えを知っている

マインドフル・フォーカシング:身体は答えを知っている

 

 

フォーカシングについてもっと知りたいときは。 

僕のフォーカシング=カウンセリング:ひとときの生を言い表す

僕のフォーカシング=カウンセリング:ひとときの生を言い表す

 
心のメッセ-ジを聴く (講談社現代新書)

心のメッセ-ジを聴く (講談社現代新書)

 

 

そしてやっぱり創始者の本はエッセンスがぎっしり詰まっています。 

フォーカシング

フォーカシング

 

 

もちろん、栄養状態などをよくして身体のコンディションを整えることがまずは大切。 

 

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 こちらもよろしく。

ガイド 壮年期のアスペルガー症候群:大人になってからの診断は人生をどう変えるか

ガイド 壮年期のアスペルガー症候群:大人になってからの診断は人生をどう変えるか

 

  

こんなのもやってます。

 

 

19、20日にイベントに参加します


www.earth-garden.jp

 

1月19日(土)、20日(日)の2日間、

代々木公園で開催されるアースガーデンというイベントに

タロット教室の先輩方と参加します。

災害復興支援のチャリティーで、15分1000円~と特別価格になっています。


タロットリーディングのみですが、この機会にどうぞ。

ベテランの先輩方のリーディングも1000円から受けられます。

午前中は比較的空いているので、待つことなく鑑定を受けていただけます。


今回で4回目の参加となりますが、

ほかにもいろいろなお店が出ていて、とても賑やかですよ。

休憩時間に見て回るのも楽しみです。

 

明日は天気もよさそうです。

温かい恰好で、ぜひお越しください!

 

こちらもよろしくです。

asagimanaad.com