それでも雨が降るときは

ホリスティックに発達障害とつきあう

デカフェじゃダメ?

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デカフェじゃダメですか?」

カフェインを止めましょうと言うと、みんな必ずそう言う、

という話を分子栄養学の講座で聞きました。

 

だいたい、栄養療法なんて試そうとする人はどこかしら具合が悪く、

副腎疲労を起こしていることも少なくありません。

だから、カフェインを入れて無理やり動くようなことはよくないので、

カフェインを止めましょうという指導が入るわけです。

 

「え?デカフェじゃダメなの?」と私も最初、不思議に思ったのです。

デカフェでも、ほとんどはカフェイン0%ではないらしく、

多少は残っているのだそうですが、問題はそこではないのです。

 

デカフェじゃダメですか?」という問い自体が、

カフェイン依存に陥っている証拠なのだとか。

 

このことは、カフェインを完全に離脱した今になって初めて理解できました。

 

私も思えば、完全離脱するまで4年くらいかかりました。

それまでは、毎日飲んでいたカフェオレをチャイに変え、

その後は、紅茶をルイボスティーに変えてチャイもどきにしていました。

牛乳は豆乳、そしてアーモンドミルクへと変わり、

アーモンドも毎日摂っていると遅発性アレルギーを起こすのか、

腹具合が悪くなってきたので、ついにはやめました。

 

そんなふうに、カフェイン依存になっていると、

一度にすっぱりとやめられないので、似たようなもので

ごまかしごまかし、気分を切り替えて身体と頭を動かそうとするわけです。

 

でもねえ、ついには断てるんですね。

「もどき」も必要なくなる。

栄養状態が良くなったとともに、自然と必要なくなったみたいです。

睡眠・覚醒リズムを整えるために使っていたブライトライトは

いつの間にかいらなくなっていたし、

今じゃ夜は当たり前のように眠くなります。

 

完全にカフェイン断ちできたなーと思えたのは、

紅茶やデカフェが台所に残っていても、一切手を出さなくなったこと。

存在すら忘れていました。

なので、冷凍庫に残っていた紅茶は先日おさらば。

手を付けていないデカフェのペットボトルが数本。

これももういらないな。

 

たまにはカフェでゆっくり紅茶飲んだりするだけれど、

心臓ドキドキして、過覚醒になっていろんな刺激を拾ってしまって

読書に集中できない(*_*;。

 

紅茶大好きなので残念なんですけどねー。

でも、頭の状態は離脱後の方がはるかによいですよ。

 

一気に止めようとすると頭痛などの離脱症状が起きるので、

デカフェでいいから少しずつ止めてみましょう。

 

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栄養についてのご相談はこちらに。

拙訳書:

ガイド 壮年期のアスペルガー症候群:大人になってからの診断は人生をどう変えるか

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発達障害と副腎疲労

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最近読んだ本に、「ASDの人ではホルモンの日内変動が

はっきりしない傾向がある」という記述があり、

通常見られる副腎皮質ホルモンのコルチゾールの朝の分泌増加が

見られないと書いてありました。

 

調べてみると、ASDADHDコルチゾール分泌の関係について

書かれた論文はいくつか出ているようで、

ASDでもADHDでもHPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)の働きに

異常が見られるそうです。

論文はこちらこちらなど(抄録のみ)。

前者の論文では、セロトニン代謝の調節障害により、

HPA軸の負のフィードバック機構が障害されている可能性

が指摘されています。

 

HPA軸とは、次のようなシステムです。

ストレスを感じると、大脳辺縁系を通じて視床下部に刺激が届きます。

すると、視床下部はコルチコロトピン放出ホルモンを分泌し、

それによって脳下垂体が刺激されて副腎皮質刺激ホルモンが分泌されます。

それによって副腎皮質が刺激されてコルチゾールを分泌します。

 

つまり、絶え間なくストレスにさらされ続けていると

コルチゾールが絶えず分泌されることになります。

しまいにはコルチゾールが出なくなり、

それが「副腎疲労」という状態です。

 

この副腎疲労という言葉を知ったのは分子栄養学の勉強を始めてからですが、

最初の頃は、他人事のように思っていました

(注意が発達障害にしか向いていなかったため)。

でも、かつての自分もきっとそうだったのだろうと最近は思っています。

 

副腎疲労では、朝起きられない、いつもだるい、など

うつ病や慢性疲労で見られるような症状が出ます。

イライラしやすかったり、甘いものやしょっぱいものを

やたらと食べたくなったりもします。

自己診断チェックはこちら。

 

慢性の炎症も副腎疲労の原因となります。

コルチゾールは抗炎症ホルモンでもあるからです。

発達障害者の腸内環境が悪いことは周知のことになりつつありますが、

腸内に慢性炎症があればコルチゾールが浪費されます。

ほかにも、歯周炎や上咽頭炎なども慢性炎症です。

 

コルチゾールにはほかに、抗アレルギー作用や血糖上昇作用もあるので、

枯渇すれば、アレルギーや低血糖になりやすくなります。

発達障害者の血糖調節異常の一因なのかもしれませんね。

 

副腎疲労になると、副腎で作られるほかのホルモンも作られなくなってきます。

副腎皮質では、アルドステロンやDHEA(性ホルモンの前駆体)、

副腎髄質では、アドレナリン、ノルアドレナリンドーパミンなどです。

 

アルドステロンが不足すると低血圧になりやすく、

DHEAが不足すると、更年期症状が出やすくなります

(女性の場合、卵巣が機能しなくなっても、

DHEAがエストロゲンに変換されます)。

アドレナリン、ノルアドレナリンドーパミンは重要な神経伝達物質です。

 

コルチゾールは血糖値を上げるため、生命には欠かせないので、

ホルモンの材料であるコレステロールは、

ほかのホルモンより優先的にコルチゾールに回されます。

なので、コルチゾールが不足していると、性ホルモンは後回しにされて

月経不順やPMSが起こりやすくなるのです。

発達障害のある女性にはこの手の問題が多いということも言われていますよね。

 

副腎疲労の回復に必要なことは、発達障害の諸症状の改善のために

必要なこととそう変わりはありません。

 

腸の慢性炎症をなくすために、できるだけグルテンカゼインフリーにして、

単糖・二糖類も控えること。腸内環境を荒らす添加物も要注意です。

 

糖質は控えた方がいいけれども、極端な糖質制限低血糖を悪化させます。

コルチゾールが不足していて血糖値が上がらないのですから。

なので、低血糖にならないように補食に工夫が必要です。

 

そして、なるべくがんばりすぎないようにしましょう。

カフェインで無理やり血糖値を上げてアドレナリンで動こうとするなんて

もってのほか。カフェインはコルチゾールのリサイクルを妨げます。

 

本もご参考に。

 

  

  

疲れがとれない原因は副腎が9割 (フォレスト2545新書)
 

  

 

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発達障害の傾向のある人がアルコールを摂取すると

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お酒をすっかり飲まなくなって、もう10年以上経ちます。

瞑想をやっていた関係で、飲まないようにしていたのが、

いつの間にかすっかり飲めなくなったのですが、

かつてはずいぶん飲んでいました。

 

以前にアスペルガーとアルコールの関係について記事を書いています。


ストレスを和らげるためにお酒を飲む人も多いと思いますが、

分子栄養学を勉強してから、発達障害者はアルコールは

ほどほどにした方がよいのではと思うようになりました。

 

まず、アルコールを飲むとアセトアルデヒドが発生して

それを分解するためにアセトアルデヒド脱水素酵素が使われます。

発達障害者は腸内環境が悪く、カンジダ菌が多いことが

広く知られるようになってきましたが、

実はカンジダ菌もアセトアルデヒドを発生するのです。

 

なので、カンジダ菌が多いのに、さらにアルコールを摂取すると、

分解酵素をさらに消耗することになってしまいます。

お酒を飲んでいなくてもボーっとしたり、

意味もなくニヤニヤしたりしてしまうのは、

アセトアルデヒドのせいだという説もあります。

頭痛も引き起こしますしね。

 

そして、このアセトアルデヒド脱水素酵素補酵素マグネシウム

各種酵素の活性化にかかわっていて、ただでさえ不足しがちなマグネシウム

飲酒によって失われるわけです。

 

さらに、ナイアシン補酵素として使われます。

ナイアシンセロトニンドーパミンやGABAの生合成に必要なので

飲酒で消費すると不足してしまいます。

 

アルコールを摂取すると低血糖にもなりやすくなります(こちらを参照)。

アルコールは有毒なので、アルコール代謝は糖代謝より優先されるらしく、

おつまみの炭水化物も分解が遅くなるのだとか。

また、肝臓がアルコールの処理に手一杯で糖新生が行われなくなります

糖新生とは、血糖値が下がってきたときに、

糖質以外からグルコースを作り出すバックアップシステム)。

だから、〆にラーメンだとか、手っ取り早く血糖値を上げるものが

欲しくなるわけです。

 

そんなふうに肝臓を酷使すれば、当然負担がかかるわけで、

これは、ただでさえ解毒能力が低い
(遺伝子多型などによってメチレーション回路が上手く回らないため)

発達障害者にはさらにダメージとなります。

 

それから、もちろん膵臓にも負担がかかるので、

膵臓が弱れば、消化酵素の分泌にも影響しますよね。

 

こんなふうに分子栄養学の観点から飲酒のデメリットを書き出してみると、

ストレスを解消しようと思って飲んでみたものの、

最終的には脳がさらにストレスに弱くなって

ますます飲酒癖が強まる、という仕組みも見えてきます。

 

ということは、脳を強化してストレスに強くするには、

そして、多少お酒を飲んでもダメージが少なくてすむようにするには、

やっぱり日頃から栄養状態を良くするのって大事なんですよね。

結局、毎度ここに行きつく。

 

追記:そうそう、もちろんアルコールはビタミンB1も消費します。

普段から糖質過剰摂取の人はますます不足しますね。

 

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発達障害をめぐる医療の状況は15年前とそんなに変わらない?

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最近出たばかりの発達障害関連の本を読みました。

 

私は特にこの手の情報を欲しているわけではないのですが、

なぜ読むことにしたかというと、私の診断医が執筆していたからです。

私が診断を受けた約15年前と何が変わったのか興味があったから。

 

その他にも医師や支援者などが執筆していて、

これが日本の精神医学界での最新の知見ということになるのでしょうか。

確かに、過剰診断や鑑別の難しさなどの問題に真摯に取り組んでいる

様子はうかがえました。

 

ADHDのデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)障害仮説などは興味深いです。

DMNは安静時に活性化し、課題に取り組んでいるときに不活化するのですが、

ADHDでは脳の成熟が遅く、DMNが不活化すべきときに不活化しないのだとか。

 

ASDADHDの本質の違いについて言及されている箇所もあって、

それによると、ASDの本質は、

「外の世界と離れていて、その限られた世界の中でグルグル回っていくという、

強迫性と静的平衡」で「要するに閉じた輪」だそうで、それに対してADHDは、

「衝動性や変動性が非常に大きく、輪が閉じていない」

「いわばダイナミックな動的平衡状態」だそうです。

 

私はずっと、「自閉症」という名称でなければ「自己完結症」が

しっくりくるような気がしていたんですが、

ASDの人間が自ら助けを求めることが少ないのは、

そもそも自分の中で世界が完結してしまっていて、

他人に助けてもらうということに思いが及ぶことすらないから

なのではという気がします。

 

さて、診断医の執筆箇所によると、15年前と比べると

fMRIDTIなどの画像検査が加わっているようですね。

WAIS-IIIの結果によるASDADHDの鑑別についても詳しく載っていますが、

ASDの場合、いろいろなパターンがあるものの、

基本的には「理解」の得点が低いことが重要だとか。

確かに私も、唯一ぽこんと低いのが「理解」で(当時はWAIS-R)、

高得点の項目とは10点の差がありました。

8点以上差があると、発達特性の偏りがあると判定するそうです。

 

そんなわけで、当時、私はアスペルガー症候群の診断名がついたのですが、

現行のDSM-5のASDの診断基準では、

「A 社会的コミュニケーション及び対人相互反応の異常」

「B 興味の限局」

「C 症状が早期発達に存在」

「D 社会生活上の支障」

を満たすことが必要となっているので、

とりあえず社会生活が送れている場合には診断はつかないことになってしまいます。

 

当時、脳波検査で異常が見られたため、抗てんかん薬を勧められた(断った)

以外は診断がついたところで何かほかに治療を受けたわけでもないのですが、

それは今でも変わらないようです。

 

診断書を久々に見直してみたら、「主訴」が次のようになっていました。

「体力がない。寝ても疲れが取れない。慢性的なうつ傾向」

 

この主訴は、結局のところ診断がついても解決しなかったわけですが、

15年経った今ではすべて解決済みです。

それはなぜか。

フリーランスの在宅勤務という職場環境に変えてストレスを極力減らし、

4年前からは試行錯誤しながら栄養療法を試して、

栄養状態が大幅に改善されて体力面がアップしたからです。

栄養は体力だけじゃなく、神経伝達物質の状態にも影響するので、

情緒不安定も気づいたら今はすっかり治ってしまいました。

そうでなかったら、15年経った今でも、変わらずに苦しんでいたはずです。

 

不思議なことに、この本では誰も栄養のことについて書いていません。

栄養療法を取り入れている精神科医は本当に限られていると思うのですが、

栄養療法がエビデンスに乏しいから慎重になってまだ言及しないだけなのか、

日本の医学部では(特に昔は)栄養のことはほとんど勉強しないらしいので

医師に栄養の知識が乏しいからなのかはわかりません。

 

でも、発達障害かと思ったら実は単なる栄養不足だったというケースも

最近はよくあるそうなのだから、絶対に軽視できないはずなんですけどね。

 

精神科医心療内科医の大半は薬物療法しかしないのに、

専門外の医師の中にはどんどん発達障害者を楽にしている人たちもいるのだから。

 

ちゃんと診断を受けて自分の特性を正しく知るのは大切なことだけれど、

つらい状態から早く楽になりたいなら、

分子栄養学を取り入れているクリニックで血液検査のデータ解析してもらった方が

よっぽどいいと思うのが正直なところです。

そうしたお医者さんたちのセミナーは、一般人にも門戸を開いて

栄養についてわかりやすく教えてくれていますよ。

 

  

発達障害にクスリはいらない (子どもの脳と体を守る食事)

発達障害にクスリはいらない (子どもの脳と体を守る食事)

 

  

発達障害の治療の試み-検査を基にした分子整合栄養医学による内科的治療
 

 

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大きいサプリメントはこうすれば楽に飲める

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以前にも似たような記事を書いたことがあります。

 


そのときの対処法は、錠剤カッターなるものを使うこと。

これで錠剤は2つに切れるんですが、

カプセル剤やソフトジェルは切るわけにはいかず、

その後も飲むのに苦労していました。

 

あれこれ調べた挙句、見つけた対処法は

錠剤カッターなんかいらなくなるほどのもの。

 

単純なことでした。

空気が入っていて水に浮くカプセル剤は下を向いて飲む。

それ以外の重いサプリは上を向いて飲む。

 

この逆をやってしまうと、水が先に喉に流れ込んでしまって

サプリが水と一緒に入らずに、詰まりやすくなるそうです。

 

これでサプリを詰まらせて苦しむことはなくなりました。

 

知り合いに、10種類くらいのサプリをまとめて一気に飲める人がいるんですが、

いったいなぜなんだ…といまだに謎。

 

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タンパク質はとにかく摂ればよい?

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前回、鉄分はとにかく摂ればよいかどうかについての記事を書きました。

 


鉄は諸刃の剣なので、摂りすぎると腸内環境を悪化させます。

 

では、最近、鉄と同じく、摂取の重要性が言われている

タンパク質はどうでしょうか。

 

確かに、タンパク質の摂取量は不足しがちです。

特に糖質をたくさん摂っているとタンパク質の量は少なくなりがち。

 

しらす干しや鰹節など、ほんの少しずつでも食事に足していくように気をつけると

わずかであっても増やすことができます。

 

それでも不足しがちなので、プロテインを飲んでいるという人もいると思います。

プロテインは、摂って問題がなければいいのですが、

お腹がゴロゴロしがちな人はアミノ酸の形で摂った方がいいでしょう。

 

タンパク質を急にたくさん摂取しだすと、消化できないことがよくあります。

消化酵素もタンパク質でできているので、消化酵素の量が追いつかないのです。

未消化のタンパク質はやっぱり腸を荒らします。

 

なので、タンパク質をがっつり摂る前に、

まず必要なのは消化酵素ということになります。

 

この間、分子栄養学の勉強をしていたら、その理由がテキストに書いてありました。

 

体内でタンパク質の代謝回転が最も速い臓器は膵臓だそうです。 

膵臓は、大量の消化酵素を合成分泌するために高速度の

タンパク質代謝を行っているからです。

 

そのため、タンパク質不足で最初に影響が出るのは膵臓で、

消化酵素不足になるのだとか。

 

タンパク質不足の診断がついたら最初に投与すべきは

プロテインではなく消化酵素だということです。納得。

 

消化酵素は、酵母を使っているものはお腹が張る場合もあります。

特にSIBO(小腸内細菌増殖症)がある人は要注意。

かくいう私もダメなので、こちらを使っています。

グルテンカゼインを分解してくれるDPP-IVも入っているので

たまに小麦粉や乳製品を食べるときにも重宝してます。


以前は、不足していたら摂ればいい、と単純に考えていましたが、

勉強するにつれて、「なぜ不足しているのか」を考えることが

大切なんだと思うようになりました。

 

同じく、低血糖になりやすいなら上がらないように糖質制限を、

と考えて一気に糖質を断つのではなく(やっていましたよ、最初)、

どうして低血糖になるのか、その原因によって対処法は若干変わってくるんですよね。

このへんは、またいずれ。

 

血液検査データを読んでいても、ホロスコープを読んでいても、

部分にとらわれずに全体を見ることの大切さをしみじみ感じる今日この頃。

 

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鉄分はとにかく摂ればよい?

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鉄とタンパク質をとにかく摂りましょうという考えが

最近広まってきているようですね。

それで良くなる人も多いと思いますが、

そんなに簡単にいかないことも少なくないようです。

 

サプリメントで摂れば鉄不足はだいぶ解消されるみたいですが、

それでも貯蔵鉄を示すフェリチン値がなかなか上がらない人もいるようです。

 

鉄の吸収が上手くいかない原因にはいくつかあります。

 

ひとつには、炎症。

体内に炎症があると、肝臓でヘプシジンというタンパク質が作られて

鉄の吸収と放出を止めてしまいます。

腸上皮細胞やマクロファージから鉄を血液中に排出する

フェロポーチンというタンパク質があって、

ヘプシジンはフェロポーチンの発現を低下させるのだそうです。

 

だから、この場合は、血清鉄の数値が低くなります。

フェリチン値は炎症でも上昇するので、

一見、フェリチン値だけ見ると鉄不足はないように思えますが、

血清鉄の数値が低ければ、鉄不足があるのに炎症のせいで

フェリチン値が正常になっている可能性があるということになります。

この状態では、炎症を治してからでないと、

鉄サプリを入れても吸収されません。

 

ほかには、乳製品はヘム鉄と非ヘム鉄の両方の吸収を阻害しますし、

お茶に含まれるタンニンも鉄の吸収を阻害します。

 

あとは、腸のカンジダ菌。

カンジダ菌は常在菌ですが、増殖すると悪玉化して腸を荒らします。

鉄はカンジダ菌の栄養となって増殖させてしまうのです。

 

鉄は酸素の運搬やミトコンドリアの電子伝達系でのエネルギー産生

にも関わるので重要なミネラルですが、

腸内環境を悪化させたり、活性酸素を発生させたりするという

危険性も同時に存在します。

 

なので、フェリチン値がひと桁というほど極度の鉄不足でない限り、

まずは腸内環境を整え、体内の炎症(腸の炎症や上咽頭炎なども含めて)

を抑えることが優先。

 

かくいう私も、かつて鉄サプリを飲んで、

真っ黒な便が出てびっくりしたことがあるのですが、

なるほど、炎症があったから吸収されずに出てしまったんだと

仕組みを知って納得。

 

だいぶよくなったものの、今でもまだ炎症はあるだろうと思うので

鉄はハーブ(ネトルやマテ)や鉄鍋で少しずつ摂っています。

 

世の中、わかりやすい情報が好まれますが、

それに飛びつくだけじゃなくて、

きちんと分子栄養学を勉強して、仕組みを理解すると、

どこでつまずいているのかがわかってきて面白い今日この頃です。

 

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あれも、これも、ADHDのせい?

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ずっと雨が続いていますね。傘も持ち歩くことが増えました。

先日、休みの日に大きな街に買い物に出ました。

あちこち買い物をして回っていたら、

いつの間にか手に持っていたはずの傘が消えています(^^;)。

行った場所を探してみたけれど、見当たらず。

いったいどこで置いてきてしまったのやら。

 

こう書くと、「発達障害あるある」「ADHDあるある」のように

聞こえるかもしれません。

 

私は15年ほど前にアスペルガーの診断を受けていますが、

ADHDは診断がつくほどではないと言われています。

 

人生あと少しで半世紀にもなろうというと、

表向きはだいぶそつなく振る舞えるようになったので、

アスペルガーの診断を受けていることを人に話しても

「そうは見えない」と言われます

(というか、見たことある人ってほとんどいないと思うので、

その人の中にあるアスペルガーのイメージに合わないってだけかと。

だいたい、見た目ではわからないものだし)。

 

ごくたまに、過去の職歴の多さや趣味の多様さから

ADHDなのではないかと指摘をされることもあります。

 

今日みたいに傘をどこかに忘れてきたり、

目を温めよう濡れタオルをとレンジにかけておいたのを忘れてしまって

食事の時にレンジを開けたら入っていてびっくりすることが

度重なったりすると、

診断当時はアスペルガーADHDの重複診断はできなかっただけで、

やっぱり結構ADHDも強いんじゃないかと自分でも思ったりもします。

 

けれども、実は、度重なるミスが原因で仕事を辞めたようなことは

一度もないのです。

仕事を辞める理由はたいてい人間関係で、

あとは、海外と日本を行ったり来たりしていたので

最初から短期間の契約で働いていたことがほとんど。

 

傘を失くしたのも何年ぶりかで、

数年に1回傘を失くすというのが多いのか少ないのか、

判断しかねるけれども、そんなに多いとも思えないんですよね

(去年も財布なくしましたけどね( ;∀;)。でも人生初)。

 

しかも、周りには私以上に、ADHDではないかと疑いたくなるような

人たちが山のようにいます(笑)。

一人や二人じゃありません。

 

では、その人たちが皆ADHDなのかというと、

誰もかれもがADHDに思えてきちゃったりするのです。

 

どのくらい忘れっぽかったらADHDなのかとか、

どのくらい部屋がとっちらかっていたらADHDなのかとか、

診断基準なんてあってないようなものだし、

考えるとわけがわからなくなってきます。

 

そんな疑問にヒントを与えてくれたのが、

先日読んだこの本です。

 

ADHDの正体―その診断は正しいのか―

ADHDの正体―その診断は正しいのか―

 

  

この本によると、ADHDと診断されている状態には

次の4通りがあるそうです。

 

発達障害による本来のADHD

②本来のADHDが、愛着障害を含む養育・環境要因によって悪化している場合

③主に愛着障害を含む養育要因によって疑似ADHDを生じている場合(愛着障害から二次的に生じた合併症や生活上のトラブルの影響なども含む)

④主に養育要因以外の原因により疑似ADHDを生じている場合

(以上、本書からの引用)

 

愛着障害については、この著者のほかの本に詳しく載っています。

そもそもは、虐待を受けた場合に愛着障害になって

発達障害のような症状を示すということなのだそうですが、

虐待とまではいかなくても、親の無関心や過干渉などから

愛着形成が上手くいかなかった場合も含まれるようです。

 

発達障害の下地がなくても、愛着形成が上手くいかないと

ADHD的な問題が出てくるそうで、

本書ではいろいろな研究結果も紹介されています。

 

分子栄養学では、発達障害では、メチレーションという、

メチル基を受け渡していく代謝経路が上手く働いていないことが多く

(遺伝子変異などによる)、

そのために神経伝達物質が上手く作られなかったり、

解毒が上手くいかなかったりして、

それが症状につながっていると言われています。

 

この本では、虐待やネグレクトによってもメチレーション

上手くいかなくなると書いてあって、

そうなると、ますます発達障害愛着障害の区別は難しくなりますね。

 

④は生活環境の影響によるもので、食生活、寝不足などの生活習慣、

情報機器などの影響が含まれます。

分子栄養学を勉強していると、ケーススタディ

発達障害だと診断されたけれど、栄養療法で診断がとれてしまった

というケースをよく耳にします。

 

症状が純粋に環境要因によるものなら治るのも納得ですし、

最近はエピジェネティクスという考え方もあって、

遺伝子に問題があっても、それが症状として現れるかどうかは

環境要因によって決まるとも言われています。

 

この4つの状態について考えて、ふと思ったのは、

当然、「発達障害」と「愛着障害」と「発達障害愛着障害」の状態に

④の生活環境の影響が加わることもあるわけです。

というか、意識せずに暮らしていたら、現代社会で

生活環境の影響が加わらないはずがない。

 

そう考えると、「発達障害あるある」や「やらかし」はすべて

純粋に発達障害によるものとは限らず、

単に、寝不足やスマホの見過ぎや栄養状態の悪さによるものかもしれないのです。

 

逆を言えば、「発達障害だから、あれもこれも大変!」というのは

質のいい睡眠をたっぷり摂って、デジタル機器の使い過ぎをやめ、

栄養状態に気をつければ、大変さは多少なりとも減るってことです。

 

これは、発達障害でなくても、いわゆるHSPを自称する人たちにも

言えることじゃないかと思います。

 

さて、私のこの度の「やらかし」。

何が原因だったかと振り返ってみると、

・ちょっと寝不足だったかな

・長時間街をウロウロして低血糖気味だった

・その後カフェで久しぶりにカフェインを摂って

どっとアドレナリンが出て落ち着きがなくなった

というところでしょうか。

 

気に入っていた傘だったのでショックだったけれど、

安くてもっといい傘を見つけたのでよかったのかも

(と思うことにしました…(^^;))。

 

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スマホの見過ぎによる「自律神経うつ」に注意~補足

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前回の補足です。ちょっと気づいたこと。


通常の「うつ」と「自律神経うつ」は違うものですが、

通常の「うつ」ではセロトニンが少なくなるので

結果的に「自律神経うつ」も招くことになり、

悪循環に陥るのかなと。

 

なぜかというと、セロトニンは抗重力筋の働きにも関係するので、

セロトニンが少なければ、いい姿勢を保つのが難しくなり、

結果的に猫背になって、前回説明したように「自律神経うつ」につながります。

ちなみに、発達障害者に猫背が多いのは、セロトニンが少ないから

という話もあります。

  

科学的に正しいのかどうか知りませんけど、

セロトニンが分泌されると幸福感を感じるけれど、

逆に、幸せだとセロトニンが分泌されるということも聞いたことがあります

(確か誰だったか脳科学者が言っていたような)

 

実際に幸福かどうかとは関係なく、

口角が上がっていると脳は幸せだと勘違いして、

セロトニンを分泌するのだとか。

 

そんなわけで、私はよく家でひとりでPC作業や読書をしているときは

口がへの字になっているのに気づいたら、ペンを口にくわえています。

 

効果のほどはわかるようなわからないような、だけれど、

一銭もかからずリフトアップにもなる。

職場でやると(さらに)ヘンな人と思われること間違いなしなので要注意。

 

また、胃腸の痛みや不快感があると、自然と姿勢は悪くなります。

私は、姿勢が悪くなっているなと思ったときには

腸の不快感がうっすらとあることに気づくことがよくあります。

この「うっすらと」というのが曲者で、

思い切り痛くて身体を丸めてしまうのはわかりやすいですが、

うっすらとした不快感だと自覚しづらいんです。

たぶん、腸の炎症のせいかなと。

 

その逆もまた真なりで、姿勢が悪くて自律神経がおかしくなれば

胃腸にも不調が起きるし。

すると必然的に姿勢も悪くなる。

 

身体と心の不調って、いろんなことが原因になっているんだと思う今日この頃。

悪循環になりやすいので、なんとかそこから抜け出すことが大切。

 

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ガイド 壮年期のアスペルガー症候群:大人になってからの診断は人生をどう変えるか

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こちらのブログでもたまに発達障害ネタや栄養療法ネタを書いています。

 

 

スマホの見過ぎによる「自律神経うつ」に注意

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夏至も過ぎて夏っぽくなってきましたね。

あっという間に今年も半分。いつものごとく、早いです。

 

ちょっと前に、めまい・動悸・息切れの3点セットがあって、

不調が続いたのですが、だいぶ以前にも同じようなことがあったので

原因はすぐに突きとめました。

 

ここのところ忙しいことが続いて、

仕事を早く片づけようと勢いよく集中してやっていました。

それで、いつもはキッチンタイマーを45分に設定して、

休みを入れながらパソコン作業をしていたのを、

タイマーを使わずにぶっ続けで1時間半パソコン観っぱなし

というようなことが続いたのが原因です。

運動不足も重なりました。

 

要は、自律神経がおかしくなって、そうした症状が出たのでした。

そうとわかれば、作業中に休憩を多くとったり

運動をしたりして、しばらくして治ったのですが、

先日、図書館でこんな本を見つけました。

 

「スマホ首」が自律神経を壊す (祥伝社新書)

「スマホ首」が自律神経を壊す (祥伝社新書)

  • 作者:松井孝嘉
  • 発売日: 2016/10/01
  • メディア: 新書
 

 

この中に、「自律神経うつ」という聞きなれない言葉が出てきました。

自律神経失調によってうつ症状が出るそうで、

スマホの見過ぎで長時間首が不自然な形で下向きに固定されたままになると

筋肉が凝り固まって、さまざまな症状を引き起こすのだとか。

 

人間の頭の重さは約6キロで、スマホやパソコンの画面を見るために

うつむき加減の姿勢を取ると、負担が3倍にもなるそうです。

 

この本では、「スマホ首こり病」の可能性がある症状として

次のようなものが挙げられています。

 

慢性疲労症候群、頭痛、めまい、自律神経失調症、自律神経うつ、

パニック障害更年期障害、ドライアイ、ドライマウス

血圧不安定症、むちうち、不眠症多汗症機能性胃腸症

便秘、過敏性腸症候群、機能性食道嚥下障害、VDT症候群

(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナルの略で、コンピューターの

表示機器の長時間使用によって生じる身体的な不調)。

 

うむ、私も当てはまるものが多々あります…(^^;)。

 

自律神経うつは、通常のうつとは異なるので

通常の治療では治せないそうです。

確かに、発症機序を考えると、自律神経失調が原因なら

抗うつ薬飲んでも意味がなさそう。

首が原因なら、首を治さないと治らないわけです。

 

この本では、15分に1回、30秒首を休める休憩を入れることを勧めています。

タイマーかけないと忘れちゃいそうですが、

30秒くらいなら、職場でも席に座ったまま首を回すことはできますよね。

 

日本人はもともと猫背が多いそうですし、

発達障害者も猫背が多い(もしくは、その逆で異様に姿勢が良い)

ことがよく指摘されています。

首の状態を改善すれば、辛さも半減するかもしれません。

まあ、問題は首だけじゃないでしょうけど。

 

これからの季節に気をつけるべき「夏季うつ」も

自律神経失調と関係があります。

クーラーや冷たい飲食物による冷えには要注意。

 

うつっぽい、やる気がないなどの不調があれば、

薬を飲む前にまず生活習慣を見直してみましょう。

 

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