それでも雨が降るときは

ホリスティックに発達障害とつきあう

完璧主義防止の呪文

誰が言っていたのか忘れましたが、

大昔、ラジオで聞いたフレーズが耳に残りました。

「ベストがダメならベターで」

 

アスペルガーもちだと、どうしても完璧主義になりがちです。

細かいことが気になって気になって仕方なく、こだわりまで出てくると、

何をやっていても延々に終わらないはめになります。

 

でも何にでも時間の制約というものがあります。

どこかで見切りをつけなければなりません。

 

私は現在、フリーで実務翻訳の仕事をしていますが、

実務翻訳というのは、結構納期の厳しいものが多い。

とてもじゃないけれど、何度も何度も見直している時間がないこともあります。

もちろん、誤訳はまずいのだけれど、何よりも納期厳守が鉄則です。

翻訳会社を通すので、仕上げたものが直接クライアントにいくことは

ほとんどありませんが、翻訳会社でのチェック工程があるため、

チェッカーの人は翻訳が上がってくるのを待っているわけです。

 

翻訳もそうですし、たとえばこのブログなんかもそうですが、

文章の推敲というのはいくらやってもキリがありません。

ブログはともかく、仕事には納期があります。

なので、表記の不統一がないかとか、いつも気持ち悪さは残りながらも、

もうこれ以上は無理!という時間になると

「とりあえず精一杯やった!あとはチェッカーさん、頼む!」

という気持ちで納品しています。

 

「ベストがだめならベターで」

下手をすると延々と終わらない状況に陥ってしまいがちな

脳みそをもっている人間にとっては、とっても役立つ呪文です。

 

そうして仕上がったものは、

自分としてはベストなものではないかもしれないけれど、

実は、そのとき、その状況ではベストなものだったのかもしれません。

それはきっと、最初から手を抜いて仕上げたものとは違って、

わかる人にはわかってもらえるのだろうと思います。