アスペルガー当事者は一般に対人能力がないと言われているので、
自分には対人能力がないような気になってしまいますが、
実際のところは、対人能力ではなくて対人体力の問題だったりもします。
私はまあ、対人能力は高いとは言えないかもしれないけれど、
そこそこ世の中で生きていけるほどにはあります。
逆にそこそこに対人能力があるからこそ非定型発達者と同じ量の
人づきあいを求められるわけで、そこで悩みが生じてくる。
最初のうちはがんばっていても、長続きしません。
対人体力の低さというのは、実際の体力にもよります。
非定型発達者は体力そのものがないことがほとんどです。
疲れてくると、まず言葉が出てこなくなります。
本はいくらでも読めるのに。
体力そのものはアップできるので、
対人体力もつけることができるのだと思いますが、
果たして体力アップによって得られたエネルギーは
必ずしも対人のために使わなければいけなのかというと、
それは人によって違ってくるだろうと思います。
なので、まずは自分が抱えていると感じているコミュニケーションの問題が
実際に対人能力の問題なのか、それとも実は単に対人体力の問題で
人との接触が短時間や低頻度なら問題ないのかを
見極めることが必要なのだと思います。
それで、対人体力の問題なのであれば、それをどれだけつけるべきなのか、
またはエネルギーをどれだけ人間関係に費やすべきなのか、
世間一般の価値観ではなく、自分で決めることが大切です。
定型発達者と同じくらいのエネルギーを人づきあいに費やしていたら
ほかのことに費やすエネルギーは枯渇してしまいます。
これは、ネット上のつきあいでも同じです。
意外と非定型発達者は、リアルのコミュニケーションが苦手な分、
バーチャルのコミュニケーションに多くのエネルギーを費やしている人が
多いのではという気もします。
でも、そのエネルギーをほかのことにもう少し回せば、
人生はもう少しよくなるかもしれませんよ。