脳の負担を軽くする分身の術
先月はえらく仕事がヒマだったのに、
今月に入ってにわかに忙しくなってきました。
フリーランス業は不安定なので、ありがたいことですが、
この波に精神的に左右されずに対応できるようになるまでに
結構時間がかかりました。
フリーで実務翻訳の仕事をするようになって
かれこれ10年になりますが、最初の頃は、
しばらく仕事が来ないと、
「何か前の仕事でひどい誤訳をしたんじゃないだろうか、
もう仕事は来ないかも」と考えてひどく不安になったり、
次いつ仕事が来るかわからないと思って休みなく働いたり。
自律神経をおかしくして、文字通り目が回って
仕事の合間にひっくり返ったりしていました。
でも、長年やっていると、別にまずい仕事をしたわけでもなく、
単に業界全体が暇な時には暇らしいことがわかってきました。
どこからも声がかからないなと思っていたら、
次の日にはいくつかの翻訳会社から声がかかって
もったいなくも、全部は引き受けられないことも。
今では、仕事がない日はやりたくても時間がなくてできないことをやるチャンス、
とばかりに空いた時間を有効活用しています。
そうやって上手に切り替えられるようになる前は、
あまりに忙しくなってパンパンになり、ブチ切れたこともありましたっけ。
断ったはずなのに、どうしてもダメですかというメールでの問い合わせがあり、
「できないって言ってるじゃん!」と思わずスマホを投げ飛ばしたら
ヒビが入ってしまいました(*_*;。
単に相手は、ダメもとで訊いてみただけなんでしょうけどね。
もちろん、メールでは丁重にお断りしましたが。
低血糖の問題に気づく前は、感情のジェットコースターが起こっているときに
こうしたことが起きると、「なんだって私ばっかり何でもかんでも
やんなきゃいけないのよ!」ってな気分になることもありました。
今思えば、ただ断ればいいでしょ、ってだけなんだけれどもね…。
以前は、予定が詰まっていて、あれもしなきゃ、これもしなきゃと考えていると
頭がパンパンになってしまうことがよくありました。
そんなときに、紙に書き出して頭から一回出すといいという
アドバイスを受けて実行してみると、なるほど、少し楽に。
そのときに、以前に本で読んだことを思い出しました。
確か、この本。
脳と気持ちの整理術 意欲・実行・解決力を高める (生活人新書)
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自分一人が全部やらなきゃならないと思うからしんどくなるわけで、
月曜日の自分、火曜日の自分、というふうに毎日違う自分がやると考えて、
今日の自分は今日やる分だけを考えればいい、というようなことが
書いてありました。
やるべきことを紙に書き出すというのをこの考えと組み合わせると、
「今日の私はこれだけやればいいのよね、あとは月曜日の私にやらせよう」
「火曜の私、ヒマそうだからもうちょっとやってくれるかな」
なんていうことになります。まさに分身の術。
これだけで頭も気持ちも負担が減ります。
ここでひとつ問題になってくるのは、
「日曜のあいつ、いいよね、楽で」
「今日の私ばっかりこんなにやらされて」なんて、ほかの曜日の自分から
やっかみが入りかねないことです。
その対策としては、がんばった曜日の自分にはご褒美を用意しておくこと。
「仕事ちょっと多めに前倒しでがんばったから、
低糖質プリン食べさせてあげよう」とか
「お疲れだから今日のバスソルトは贅沢にローズにしてあげよう」だとか。
そうすると、日曜の私も羨ましがって、もしかしたらプリン食べたさに
溜まりに溜まっている陶芸の絵付けとか、やる気になってくれるかもしれません。