それでも雨が降るときは

ホリスティックに発達障害とつきあう

文章が読めない理由

先日、ネットで、文章を理解できない人が増えているらしいという記事を読みました。LINEやツイッターばかりやっていて、長い文章の読み書きが

できなくなっているという話は聞いたことがありますが、

この記事では、ツイッターのつぶやきにさえ、文脈を無視した反応をしてくる、

とあるので、文章が長いか短いかという問題でもないようです。

 

高学歴でも文章を理解する力が不足している人が少なからずいる

ということが指摘されていますが、そうなるとやはり、

発達障害との関連は無視できないのではないでしょうか。

 

もちろん、この記事に書かれているように、文章を理解するテクニック云々とか、

感情が先に立ってしまうだとかもあるだろうと思いますが、

発達障害ということも念頭におくと、もっと違った理由が見えてきます。

 

私自身、実務翻訳者という仕事柄、日頃から大量の文章を読んでいますが、

書かれ方によって、なかなか頭に入ってこないこともよくあります。

 

それは文章の書き方、というのもありますが、ただ単に、

書体の問題だとか、行間の詰まり具合だとか、色使いが原因のこともあります。

ブログを読んでいても、あまりにカラフルだったり、

ところどころ文字が大きくなって強調されていると、

目がチカチカしてしまって、長いあいだ読んでいられません。

できれば背景も本当は薄く色がついていた方が読みやすい。

本の場合、その点、Kindleだと、背景色が変えられるのでありがたいです。

今はメガネに薄く色をつけたので、白でも大丈夫になりましたが。

 

ちなみに、はてなブログを選んだのは、自分が読みやすいからです。

ア〇ブロは人気があるようですが、個人的には読みづらくて苦手なのです…。

まあ、自分でいろいろカスタマイズすればいいだけなのかもしれませんが、

そんな暇もないので、手っ取り早く始めるには、

シンプルで読みやすい、はてながよかったのです。

 

とある精神科医が書いた発達障害の本を読んでいたら

発達障害者を理解しようとする姿勢のみられるいい本ではあったのですが)、

アスペルガーの人は規則性を好むので、太さが均一でない明朝体より

ゴシック体を好む」というようなことが書いてあって、

おいおい、と思いました。

私、明朝体、大好き。だって明朝、美しいもん。

どちらかというとゴシックの方が苦手(書体によるけど)。

 

発達障害のやっかいなところは、人それぞれ苦手なものが大きく異なることで、

そのニーズのすべてに応えることを求めるのはやはり難しいかと思います。

 

となると、やはり自分で工夫するしかなさそうです。

まずは、文章が読めないときがあるということを自覚すること。

私の場合は、仕事で長文メールの指示があった場合はまず気を落ち着けます。

さあ、読むぞ、と構えてから読みます。

それで、抑えるべきところをチェックして、必要なら別に書き留めます。

読みづらいようなら、コピーして、Wordか何かに貼り付けて、

自分の読みやすいように行間やフォントを変えたり、

線を引いたりするのもいいかもしれないですよね。

 

テレビで、パソコンを使って各自好きなように

ノートを取らせている小学校があるというのを知りました

自分の好きなフォントや文字の大きさで、自分でわかりやすいように

ノートが取れるのです。いいですよね。

 

それから、前述の記事では、米国人とのやり取りでは

そうした齟齬が起こりにくいとありますが、

英語と日本語の違いもあるのだと思います。

英語は主語述語がはっきりしているので、

主語を省略することが当たり前な日本語とは違ってわかりやすいですし、

単数形・複数形や動詞の変化から、さらに誤解が生じることは少なくなります。

日本語は「人魚構文」と言われるように、

文法的に読み解くのが難しい言語なのでしょう

(日本語がペラペラな外国人ってホントにすごいと思います)。

 

私はたまに仕事で英訳もやりますが(会話はろくにできないくせに)、

原文の日本語の読解に苦労することがたまにあります。

メディカルライターなど、プロの書き手が書いたものは問題ないのですが、

議事録など、社員が書き起こしたと思われるものは、

「てにをは」がおかしかったり、何を指すのかが前後の文脈から

わからなかったりすることも少なくはなく、

自分で一度、読みやすく文章を書き直してから英語に訳すこともよくあります。

 

考えてみれば、日本の国語教育では、作文や感想文などは書かされますが、

読みやすい文章の書き方というのは教わらないのではないでしょうか

(少なくとも私と同世代は教わっていないはず)。

昔、バイリンガルの友人と話していたら、アメリカでは文章の書き方というのを

きちんと学校で習うと言っていました。

それがどこまで一般的なのかはわかりませんが。

 

それを考えると、メールなどで文章で指示を出す側も、

本人も気づいていない発達障害が読み手の中にある可能性というのを考えて、

主語述語のはっきりした、わかりやすく読みやすい文章を書くというのが

仕事上の生産性を上げることにつながるのではないでしょうかね。