それでも雨が降るときは

ホリスティックに発達障害とつきあう

女子の人間関係と「女」度

女性の人間関係が苦手なアスペルガー女性は多いと思います。

かくいう私もその一人です。

 

三姉妹の末っ子として育ったので、子どもの頃から女性の人間関係が

厄介だということは身に染みて感じていました。

二人ではなく三人ともなれば、立派な社会です。

2対1という状況になることも少なくありません。

 

私は自閉症圏の人間なので、子どもの頃は特に反応に乏しく、

そのせいか「お前は可愛くない。友だちの妹はもっと可愛い」

と姉たちに言われていました。

普段は反応に乏しい私がパニックになるのが面白いらしく、

「ご飯だよ」と呼びに来たので行こうとすると

外からドアを押さえられて出られず、泣き叫ぶようなこともありました。

これについては、大人になってからも、普段はクールな私が激するのを面白がって

地雷をわざわざ踏むようなことをする人にもたまに出会うので、

そういう人間はいるものなのだということを肝に銘じるようになりました。

 

そんなわけで、幼少時から女の嫌な部分を肌身で感じてきたので、

高校進学のときには母親に「滑り止めでも絶対に女子高は受けない。

女子高に行くくらいなら高校には行かない」と宣言したほどでした。

 

現在はといえば、それなりに場数を踏んで距離の取り方もわかってきたし、

嫉妬深いのは女性ばかりではなく、意外と男性の嫉妬深さ

(恋愛の文脈ではなく)も面倒なものだとわかってきたので、

それほど女性との人間関係は苦手ではなくなりました。

 

それでも『女子の人間関係』という本を知ったときには気になって読んでみました。

女子の人間関係

女子の人間関係

 

 著者の水島広子さんは精神科医ですが、女性ならではの視点が多く、

参考になる本が多くあります。

 

この本では、女性の嫌な部分を「女」と呼んでいます。

「女」度の高い人とは、裏表があるだとか、群れたがるだとか、

陰口や噂話が好き、などです。

 

そう考えると、私自身は「女」度がかなり低い方だと思うのですが、

アスペルガーの女性、しかも診断がつくほどの自閉度であれば、

「女」度が低い人が多いのではないでしょうか。

男性脳」だと言われるほどですもんね。

 

グレーゾーンの女性は男性にモテるので女子から嫌われやすいという

説もありますが、真性アスペの女性は性格的にサバサバしすぎて

色気がないのでもてず(少なくとも、自分も含め、未診断であれ、

私の周囲にいるアスペっぽい女性たちはもてている様子はありません(笑))、

他の女性の脅威にならないので、その点では、実はそれほど嫌われません。

嫌われるとしたら、話が合わない、お局様と上手くやっていけずに

結果としてはじき出される、などでしょうか。

 

ただ、この本を読んで思ったのは、「女」度が低いというのは

「女」度が高い人の気持ちを理解することができないということなので、

知らず知らずのうちに相手の「女」の部分を

傷つけているのかもしれないということです。

 

「女」度が低くくてもやはり女であることには変わりないので、

「女」の部分を刺激されて、自分の中の「女」が出てくることはあると

この本では言っています。

 

確かに、長年生きてくると、自分には無縁と思っていたような「女」の部分が

私にもあるのだと思うことがあります。

それに気づくと、他人の「女」の部分も理解できるようにもなってきます。

実は、「女」度が低い人ほど読む必要がある本なのかもしれません。