それでも雨が降るときは

ホリスティックに発達障害とつきあう

アスペな人~孤高の天才画家 田中一村

「類は友を呼ぶ」で、発達障害のある人間は

同じように発達障害的な人間に惹かれる傾向があります。

かくいう私もそうです。

 

私が好きな日本画家のひとりが田中一村です。

知っている人は多くはないかもしれません。

無名のまま亡くなって、死後だいぶたってから

日曜美術館』で取り上げられて知られるようになりました。

 

一村は子どものころ、いつもクリのイガのように突っ張っていたので

「イガ君」と呼ばれていたそうです。

間違ったことや余計なことを周りが言うと、

大人もタジタジになるほどの剣幕で怒ったとか。

 

子どもの頃から絵の才能があり、東京美術大学(後の芸大)にまで

入りましたが、家庭の事情で退学して病弱な身で一家を支えなければ

なりませんでした。

 

その後独学で絵を続けていたものの、自信作を展覧会で落とされたことから

画壇とも決別します。

南画を描いて生計を立てていましたが、自分が本道と信ずる絵を描いていきたいと

自分を支持してくれる人たちのために絵を描くのをやめ、

その後写生旅行に出かけ、そのときに奄美大島の自然に魅せられ、

最終的には人生を飾る絵を描くために奄美に移住します。

 

質素な生活をして、生活費を稼ぐために染色工として何年か働いてお金を貯めて

数年間集中して絵を描いていたようです。

島の人たちは、絵描きだなどという一村のことを、

頭がおかしくなってしまって可哀そうに、と思っていたそうです。

 

生涯独身だった一村ですが、心が揺らいだこともあります。

50を過ぎて旅先から一度故郷に戻ったときに、

知り合いが結婚相手を紹介してくれ、いい相手だったので

その気になったようですが、自分を支えてきてくれた独身のお姉さんのことを思い、

結局は断りました。

そんな律儀な一村ですが、奄美でも、人の貴賤を問わず、

誰にでも丁寧に接していたそうです。

 

世渡りが下手で、生前は日の目を見ることがありませんでしたが、

その純粋な生き方は絵そのものに表れているような気がします。

一村が「閻魔大王への土産品」と言っていたという作品。

こんなものを閻魔様に持っていける人間はそうそういません。

私が一村の作品を生で観たのはかなり前のことですが、

印刷されたものを見るとまるで油絵のようですが、

本物はずっと透明感がありました。

 

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生き方や画風から「昭和の若冲」とも呼ばれているそうです。

私は若冲も好きですが、絵一筋と言いながら、結婚に心揺れてしまうような

どこか弱いところのある一村の絵の方が好きです。

 

今年は一村の生誕110周年ということで岡田美術館で一村展をやっているというので、

先日、一日かけて小涌谷まで行ってきました。

 

が、

え~~~~~~~っ、これだけ???????

というほど点数が少なく、これで「一村展」って言っちゃっていいの?

とちょっと騙されたような気分でした…。

でもまあ、ほかにもいろいろ、若冲とか東山魁夷とか観れたしね…

(と思うしかない)。

 

と思ったら、滋賀の佐川美術館で本格的にやっているようです。

滋賀まではちょっと行けそうもないなあ…。

東京でやってくれないのかしら、とも思うけれど、

一村の絵は大混雑の中で観たくはないし。

いつかやっぱり奄美田中一村記念美術館に行かないと。

 

www.youtube.com

昔の『日曜美術館』のビデオがありました。貴重です。

 

日本のゴーギャン 田中一村伝 (小学館文庫)

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