発達障害者の血糖管理~糖質を減らしてタンパク質と脂質を増やすには
発達障害傾向のある人は血糖値の急な変動に気をつけた方が
よいことを前回書きました。
じゃあ、糖質を単に減らせばいいのかというと、
そういうものでもなく、ヘタなやり方をするとかえって低血糖になることもあります。
糖質を減らす代わりにタンパク質や脂質を多めに摂ることが必要ですが、
女性や痩せている人はタンパク質の消化能力が低く、あまり入らないこともあります。
菜食の友人にタンパク質摂取の大切さを話したところ、
「お肉食べるとお腹壊す~」という答えが返ってきました。
なぜお腹を壊すかというと、タンパク質の消化酵素が不足しているからです。
タンパク質の消化酵素も実はタンパク質からできています。
つまり、タンパク質を摂っていないと消化酵素が作られず、
タンパク質が上手く消化できないことになります。
「わかもと」や「エビオス」でもいいんですが、酵母が入っているので
酵母アレルギーのある人や、過敏性腸症候群のある人は避けた方がいいと思います。
私もお腹がぐるぐるいってしまってダメ。
そういう人はiherbで売っているこちらを試してみてください。
食事であまりタンパク質が摂れなければ、プロテインパウダーを摂る手もあります。
ただ、やはりプロテインはお腹がゴロゴロするという場合は、
アミノ酸パウダーから始めるといいでしょう。
アミノ酸はタンパク質が分解された形なので、吸収されやすいのです。
それならアミノ酸の形で摂る方がいいんじゃない、と思って
私はしばらくアミノ酸オンリーでした。
でも、可能であればタンパク質の形で負荷をかけてやった方が
胃の機能は高まるそうなので、最近は半々くらいの分量で摂っています。
水で溶いただけでは飲みづらいので、カフェインレスコーヒー+豆乳と混ぜたり、
水+ココアと混ぜて飲んでいます。
それでシャカシャカするとよく混ざりますよ。
筋肉をつけるのもここから。タンパク質が上手く摂れないうちに
筋トレをしても筋肉はつきません。
脂質も重要です。
タンパク質は筋肉や神経伝達物質を作ったりなど、多くのことに使われますし、
血糖の取り込みを促進して血糖値が急激に上がらないようにするためにも
筋肉は必要なので、できるだけタンパク質をエネルギーに回さない方がいいのです。
それでエネルギー源として脂質が上手く使えるようにならないといけないのですが、
やっぱり上手く入らずにお腹を壊すことがあります。
脂質の消化・吸収に関わる胆汁酸を作るコレステロール値が低いと
脂質があまり上手く消化できないかもしれません。
最近ココナツオイルが流行っているので使っている人もいるかもしれません。
糖質を減らした場合、エネルギーが不足することになりますが、
その代わりにココナツオイルを摂ると、
それに含まれる中鎖脂肪酸が早くエネルギーになってくれるのです。
ココナツオイルが分解できない人もいるようなので、
その場合はMCTオイルから始めるのがいいでしょう。
少量から始めてみてください。
MCTオイルの方がさっとエネルギーになってくれるようです。
ココナツオイルは分解が必要な分、エネルギーになるまでに多少時間はかかりますが、
MCTオイルよりも長持ちするようです。
糖質をたくさん摂ったうえでココナツオイルやMCTオイルを摂っても
糖質だけで十分にエネルギーが足りてしまうので
エネルギー源として活用されずに単に脂肪になるだけだそうなので要注意。
ココナツオイルライスだとか、てんこ盛りのご飯にココナツオイルを
かけても太るだけですよ。
糖質を減らさないで、ココナツオイルを摂るだけで
痩せると思ってしまっている人って結構いるみたいですね。
脂質を摂るというと、「太る~」と思っちゃう人もいると思いますが、
確かに、炭水化物をしっかり摂ったうえで油もたくさん摂ると太るかもしれません。
でも、炭水化物を減らせば太ることにはなりません。
「中性脂肪=脂質」というイメージのある人も多いと思いますが、
意外にも、血液検査で測定される中性脂肪のほとんどは糖質由来だそうです。
だから、脂質を減らしても炭水化物ばかり摂っていたら痩せないのですよ。
参考までに、私は3年前に糖質制限を始めるまでは7~8年ほど菜食でした。
それほど厳格なベジタリアンではなく、最後の方は、
さすがにスタミナが出なくて、このままではまずいのではと思い、
魚は食べるようにしていたので、肉食を始めたとき
(心理的にはかなり抵抗がありましたが)でも
わりと胃は受けつけてくれました。
それまでが絵にかいたようなヘルシー(と思っていたけれど
いかにそれが間違いだったか、知識のついた今となっては
当時の自分のバカさ加減に呆れます)な食事(和食が主)だったのが、
いわゆるカロリーの高い、一見不健康そうな食事になったのに、
健康診断のデータを年を追ってみてみると、
今の食事スタイルになってからの方が中性脂肪もコレステロールも下がり、
善玉コレステロールが増えているんです。
ただ、私は元々痩せ型なので、中性脂肪はちょっと少なすぎるのが心配。
数値的には普通の医師にはまったく問題ないと言われるけれど、
分子栄養学の観点からすると、中性脂肪やコレステロールが少なすぎるのも
問題なのだそうです。
細胞膜が弱くなるし、赤血球ってアンパンの真ん中を潰したような形を
してますけど、あの形が保てずに球状になってしまって、
毛細血管に入りづらくなって冷えが生じることもあるのだとか。
勉強すればするほど奥の深い分子栄養学。
発達障害や精神疾患をどんどん改善しているのも分子栄養学です。
(正式には分子整合栄養医学(オーソモレキュラー医学)というのだけれど、
長くてめんどうなので分子栄養学や栄養療法と呼んでいます。)
その他にも、各種ビタミンやミネラルも欠かせません。
ただ、やはり吸収が上手くいかないことがあります。
その原因は胃腸がきちんと機能していないこと。
ピロリ菌がいる場合も吸収に問題が出ます。
腸内環境も重要なポイントです。
そう、実はこれ、発達障害者には欠かせない部分なんです。
それについてはまた次回。
しばらく血糖管理の話が続きます。
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