それでも雨が降るときは

ホリスティックに発達障害とつきあう

発達障害の傾向のある人がアルコールを摂取すると

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お酒をすっかり飲まなくなって、もう10年以上経ちます。

瞑想をやっていた関係で、飲まないようにしていたのが、

いつの間にかすっかり飲めなくなったのですが、

かつてはずいぶん飲んでいました。

 

以前にアスペルガーとアルコールの関係について記事を書いています。


ストレスを和らげるためにお酒を飲む人も多いと思いますが、

分子栄養学を勉強してから、発達障害者はアルコールは

ほどほどにした方がよいのではと思うようになりました。

 

まず、アルコールを飲むとアセトアルデヒドが発生して

それを分解するためにアセトアルデヒド脱水素酵素が使われます。

発達障害者は腸内環境が悪く、カンジダ菌が多いことが

広く知られるようになってきましたが、

実はカンジダ菌もアセトアルデヒドを発生するのです。

 

なので、カンジダ菌が多いのに、さらにアルコールを摂取すると、

分解酵素をさらに消耗することになってしまいます。

お酒を飲んでいなくてもボーっとしたり、

意味もなくニヤニヤしたりしてしまうのは、

アセトアルデヒドのせいだという説もあります。

頭痛も引き起こしますしね。

 

そして、このアセトアルデヒド脱水素酵素補酵素マグネシウム

各種酵素の活性化にかかわっていて、ただでさえ不足しがちなマグネシウム

飲酒によって失われるわけです。

 

さらに、ナイアシン補酵素として使われます。

ナイアシンセロトニンドーパミンやGABAの生合成に必要なので

飲酒で消費すると不足してしまいます。

 

アルコールを摂取すると低血糖にもなりやすくなります(こちらを参照)。

アルコールは有毒なので、アルコール代謝は糖代謝より優先されるらしく、

おつまみの炭水化物も分解が遅くなるのだとか。

また、肝臓がアルコールの処理に手一杯で糖新生が行われなくなります

糖新生とは、血糖値が下がってきたときに、

糖質以外からグルコースを作り出すバックアップシステム)。

だから、〆にラーメンだとか、手っ取り早く血糖値を上げるものが

欲しくなるわけです。

 

そんなふうに肝臓を酷使すれば、当然負担がかかるわけで、

これは、ただでさえ解毒能力が低い
(遺伝子多型などによってメチレーション回路が上手く回らないため)

発達障害者にはさらにダメージとなります。

 

それから、もちろん膵臓にも負担がかかるので、

膵臓が弱れば、消化酵素の分泌にも影響しますよね。

 

こんなふうに分子栄養学の観点から飲酒のデメリットを書き出してみると、

ストレスを解消しようと思って飲んでみたものの、

最終的には脳がさらにストレスに弱くなって

ますます飲酒癖が強まる、という仕組みも見えてきます。

 

ということは、脳を強化してストレスに強くするには、

そして、多少お酒を飲んでもダメージが少なくてすむようにするには、

やっぱり日頃から栄養状態を良くするのって大事なんですよね。

結局、毎度ここに行きつく。

 

追記:そうそう、もちろんアルコールはビタミンB1も消費します。

普段から糖質過剰摂取の人はますます不足しますね。

 

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栄養療法のご相談はこちらに。

拙訳書:

ガイド 壮年期のアスペルガー症候群:大人になってからの診断は人生をどう変えるか

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