一夜の恩義
蓮の花の絵に惹かれて、茅ケ崎市美術館まで小原古邨展を観に行ってきました。
昔は日本画なんて全然興味がなかったのに、
歳とともに花鳥風月の世界が大好きになりました。
小原古邨の絵は、どっぷり花鳥風月の繊細な世界。
実物を見るまでは肉筆画だと思い込んでいたのが、実は版画でした。
お目当ての蓮の絵は今回はなく、後期に展示されるようです。
前期と後期で総入れ替えだというから、
忙しい合間を縫ってまた茅ケ崎まで足を運ばなくては。
日本では無名だけれど、海外では人気があったようです。
こういうパターンって多いよなあ。
今回の展示の中に『大鷹と温め鳥』というタイトルの作品がありました。
鷹が冬の寒い時期に小鳥を捕まえて、カイロ代わりにひと晩抱いて脚を温めたあと、
翌朝には逃がすのですが、その恩としてその日一日はその鳥が飛んで行った方角には
鷹は狩りに行かないという鷹匠の言い伝えがあるそうです。
実際のところは違うのかもしれないけれど、ちょっと心温まるお話。
「温め鳥」は俳句の季語なのだとか。
調べてみたら、『ぬくめどり』という鷹匠を追ったドキュメンタリー映画
があるらしく、興味津々。
小原古邨、10月7日にEテレの日曜美術館で特集されるらしい。
観なくては。