それでも雨が降るときは

ホリスティックに発達障害とつきあう

フリーランサーの心得 その3~環境を整える

私が派遣社員として働いていた会社を辞めてフリーランスで翻訳の仕事を

やると決めたときに最初にしたのは、

仕事用の机と椅子と大画面のモニタつきデスクトップPCを買うことでした。

 

翻訳の仕事というのは、実はネット環境さえあればどこでもできます。

ラップトップで適当な机と椅子さえあればできるのです。

海外と行ったり来たりしながらできるかも、なんて最初は甘っちょろいことを

考えていました。

 

いや、やろうと思えばできるのです。たぶん定型発達者なら。

そうでなくても、分量が少なければ、やろうと思えばできるでしょう。

 

フリーランスとして食べていけるという保証もなく、

大した貯金があるわけでもないのに最初に大きな投資(自分レベル)をしたのは、

絶対これで食べていくという気負いがあったわけでもなく

(実際に、しばらくやって食べて行けそうになければ

また派遣に戻ればいいと考えていたし。ゆるい私)、

深い考えがあってのことでもありませんでした。

 

でもそれは結果的に大正解でした。

何だか自分でもよくわからずに取った行動が奏功したというのが

私の人生ではよくあるのです。

 

何がよかったかというと、長時間仕事に集中できる環境が整ったということです。

仕事をするためだけの机、座っていて疲れない椅子、

目が疲れず作業しやすい大画面のパソコン。

 

誰にでも言えることですが、発達障害者にとっては特に、環境は大事です。

フリーランサーとして10年近く食べてくると、

自分が何だか仕事のできる人間のような気がしてきますが、

同じ内容と分量の仕事を会社に通勤してやらなければならないとなったら、

長期間は続かないと思います。

以前は、私用で外出した際にラップトップで少し仕事を進めようとしたことも

ありますが、集中できずに効率が悪いので今はやらなくなりました。

 

数年前、ワンルームマンション並みに家賃の安い一軒家が運よく見つかったので

(空き家が増えているというのは本当)引っ越したのですが、

無駄に広い家の中、3畳の納戸を仕事部屋にして使っています。

そこに壁に向かうようにして机を置き、

本棚は背になるようにして視界に入らないようにしました。

こうすると、実に集中でき、作業がとんとんと進みます。

 

自営業というのは時間給ではないので、仕事をした分しかお金になりません。

職種にもよると思いますが、効率をよくすることが不可欠です。

実務翻訳の場合はダラダラしていたらお金にならないので、時間管理は大切です。

(もちろん、自営業だからといってすべての職業に効率が求められるわけでは

ありません。余裕がなくてアイデアが出ないと困る仕事もあるでしょうし)

 

なので、過集中を防止するためにも、音のうるさいキッチンタイマー

50分に設定して作業しています。

その間はネットサーフィンも禁止。

仕事上、ネットで調べ物をすることも多いのだけれど、

あちこち見始めてしまうとまったく仕事になりません。

 

自営業は他者と働くという制約がない分、自律が大切です。

自律が自立につながるのです。