それでも雨が降るときは

ホリスティックに発達障害とつきあう

あれも、これも、ADHDのせい?

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ずっと雨が続いていますね。傘も持ち歩くことが増えました。

先日、休みの日に大きな街に買い物に出ました。

あちこち買い物をして回っていたら、

いつの間にか手に持っていたはずの傘が消えています(^^;)。

行った場所を探してみたけれど、見当たらず。

いったいどこで置いてきてしまったのやら。

 

こう書くと、「発達障害あるある」「ADHDあるある」のように

聞こえるかもしれません。

 

私は15年ほど前にアスペルガーの診断を受けていますが、

ADHDは診断がつくほどではないと言われています。

 

人生あと少しで半世紀にもなろうというと、

表向きはだいぶそつなく振る舞えるようになったので、

アスペルガーの診断を受けていることを人に話しても

「そうは見えない」と言われます

(というか、見たことある人ってほとんどいないと思うので、

その人の中にあるアスペルガーのイメージに合わないってだけかと。

だいたい、見た目ではわからないものだし)。

 

ごくたまに、過去の職歴の多さや趣味の多様さから

ADHDなのではないかと指摘をされることもあります。

 

今日みたいに傘をどこかに忘れてきたり、

目を温めよう濡れタオルをとレンジにかけておいたのを忘れてしまって

食事の時にレンジを開けたら入っていてびっくりすることが

度重なったりすると、

診断当時はアスペルガーADHDの重複診断はできなかっただけで、

やっぱり結構ADHDも強いんじゃないかと自分でも思ったりもします。

 

けれども、実は、度重なるミスが原因で仕事を辞めたようなことは

一度もないのです。

仕事を辞める理由はたいてい人間関係で、

あとは、海外と日本を行ったり来たりしていたので

最初から短期間の契約で働いていたことがほとんど。

 

傘を失くしたのも何年ぶりかで、

数年に1回傘を失くすというのが多いのか少ないのか、

判断しかねるけれども、そんなに多いとも思えないんですよね

(去年も財布なくしましたけどね( ;∀;)。でも人生初)。

 

しかも、周りには私以上に、ADHDではないかと疑いたくなるような

人たちが山のようにいます(笑)。

一人や二人じゃありません。

 

では、その人たちが皆ADHDなのかというと、

誰もかれもがADHDに思えてきちゃったりするのです。

 

どのくらい忘れっぽかったらADHDなのかとか、

どのくらい部屋がとっちらかっていたらADHDなのかとか、

診断基準なんてあってないようなものだし、

考えるとわけがわからなくなってきます。

 

そんな疑問にヒントを与えてくれたのが、

先日読んだこの本です。

 

ADHDの正体―その診断は正しいのか―

ADHDの正体―その診断は正しいのか―

 

  

この本によると、ADHDと診断されている状態には

次の4通りがあるそうです。

 

発達障害による本来のADHD

②本来のADHDが、愛着障害を含む養育・環境要因によって悪化している場合

③主に愛着障害を含む養育要因によって疑似ADHDを生じている場合(愛着障害から二次的に生じた合併症や生活上のトラブルの影響なども含む)

④主に養育要因以外の原因により疑似ADHDを生じている場合

(以上、本書からの引用)

 

愛着障害については、この著者のほかの本に詳しく載っています。

そもそもは、虐待を受けた場合に愛着障害になって

発達障害のような症状を示すということなのだそうですが、

虐待とまではいかなくても、親の無関心や過干渉などから

愛着形成が上手くいかなかった場合も含まれるようです。

 

発達障害の下地がなくても、愛着形成が上手くいかないと

ADHD的な問題が出てくるそうで、

本書ではいろいろな研究結果も紹介されています。

 

分子栄養学では、発達障害では、メチレーションという、

メチル基を受け渡していく代謝経路が上手く働いていないことが多く

(遺伝子変異などによる)、

そのために神経伝達物質が上手く作られなかったり、

解毒が上手くいかなかったりして、

それが症状につながっていると言われています。

 

この本では、虐待やネグレクトによってもメチレーション

上手くいかなくなると書いてあって、

そうなると、ますます発達障害愛着障害の区別は難しくなりますね。

 

④は生活環境の影響によるもので、食生活、寝不足などの生活習慣、

情報機器などの影響が含まれます。

分子栄養学を勉強していると、ケーススタディ

発達障害だと診断されたけれど、栄養療法で診断がとれてしまった

というケースをよく耳にします。

 

症状が純粋に環境要因によるものなら治るのも納得ですし、

最近はエピジェネティクスという考え方もあって、

遺伝子に問題があっても、それが症状として現れるかどうかは

環境要因によって決まるとも言われています。

 

この4つの状態について考えて、ふと思ったのは、

当然、「発達障害」と「愛着障害」と「発達障害愛着障害」の状態に

④の生活環境の影響が加わることもあるわけです。

というか、意識せずに暮らしていたら、現代社会で

生活環境の影響が加わらないはずがない。

 

そう考えると、「発達障害あるある」や「やらかし」はすべて

純粋に発達障害によるものとは限らず、

単に、寝不足やスマホの見過ぎや栄養状態の悪さによるものかもしれないのです。

 

逆を言えば、「発達障害だから、あれもこれも大変!」というのは

質のいい睡眠をたっぷり摂って、デジタル機器の使い過ぎをやめ、

栄養状態に気をつければ、大変さは多少なりとも減るってことです。

 

これは、発達障害でなくても、いわゆるHSPを自称する人たちにも

言えることじゃないかと思います。

 

さて、私のこの度の「やらかし」。

何が原因だったかと振り返ってみると、

・ちょっと寝不足だったかな

・長時間街をウロウロして低血糖気味だった

・その後カフェで久しぶりにカフェインを摂って

どっとアドレナリンが出て落ち着きがなくなった

というところでしょうか。

 

気に入っていた傘だったのでショックだったけれど、

安くてもっといい傘を見つけたのでよかったのかも

(と思うことにしました…(^^;))。

 

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 こちらもよろしく。

ガイド 壮年期のアスペルガー症候群:大人になってからの診断は人生をどう変えるか

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こちらのブログでもたまに発達障害ネタや栄養療法ネタを書いています。