それでも雨が降るときは

ホリスティックに発達障害とつきあう

育ての親はインド人

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先日、またインド映画を観てきました。

 


 

最近は映画を観に行くとなるとインド映画ばっかりのような気がするけれど、

それは単に、見逃すとテレビじゃ放映されないからです。

観たくてもそのうちにテレビやオンデマンドで放映されそうな映画は

後回しになって結局観そびれています。

 

でも思えば、20代の半ばくらいまでは小難しいアートムービーしか観なかったのに

今ではハリウッド映画も楽しめるようになったのは、

インド映画を観るようになってから。

この作品も典型的なマサラムービーで、笑いあり、涙あり、踊りあり。

それにしてもインドの男優はすごいですね。

女優はすっかり顔ぶれが変わっているのに、

主役のサルマンは昔と変わらずトップスター。

もう50過ぎてるのに、あんまり変わらないよね。

 

この映画を観ていたら、ちょっとインドが恋しくなってしまいました。

ちらりと書いたことがありますが、私は現地の音楽を習いに

20年来、彼の地と日本を行ったり来たりしていました。

 

振り返ると、今の私があるのはインドのおかげといっても過言ではない。

まさにインド人に鍛えられて育ったという感じ。

療育も何も受けてこなかった私が、今こうして何の支援もなく自活して

生きていられるのは、インドでの生活が荒療治となったからと言えるかもしれません。

 

今じゃだいぶ便利になったけど、何しろ予定通りに行かない国です。

昔は電車だってヘタすると12時間遅れなんてことも珍しくありませんでした。

飛行機ですら、パイロットがいなくて欠航だなんてことがあったほど。

要は、柔軟性に欠けて予定変更に弱いアスペな私には大変だったのですが、

あんまりそんなことが日常茶飯事になると、それが当たり前になってしまい、

常に予定通りに行かない場合を想定するようにまでなりました。

 

もちろん、そうなるまでにはパニクったり怒りまくったりしたのですが、

インド人っていうのはわりとそういうのを受け止めてくれるんです。

インド人って、発達障害っぽい人が多いと思いような気がします。

発達障害の基準に合わないインド人を探せっていう方が大変そう(笑)。

まあだいたい、最近は変わってきているだろうけど、

そもそも同じカースト内で結婚する場合がほとんどだから、

遺伝する確率も高いでしょうし。

数学者のラマヌジャンなんかも、映画を観ると発達障害っぽい。

ITに力を入れているインドは発達障害的才能を上手く活かしていると言えます。

この映画の主人公も、何度も落第したり、訊かれたことはすべて

馬鹿正直にしゃべってしまったりして、それっぽい感じです。

 

だから、機嫌悪くてつい無愛想になってしまっても、皆そうなので後を引きません。

日本では大変なことになりますが。

何かあの人、私のこと怒ってる?と思うような態度を取られても

次に会ったときにはニコニコ話しかけてきたりするので

単にそういう気分だったというだけのことなのです。

 

女性の愛想があまりよくないのも私にとっては楽でした(笑)。

インド映画を観るとよくわかると思いますが、ヒロインってたいていツンデレ系です。

この映画でもそうでした。

ただ、海外に出るとわかるのですが、

日本人女性ってちょっとニコニコしすぎかもしれません。

目が合っただけで意味もなくニコッと微笑んだりするので、

気があると思われてトラブルになることもたまにあるようです。

 

そういえば、私は西洋人からは「日本人って何考えてるのかよくわからないけど、

キミはわかりやすい」と言われたことが何度かあります。

特に西洋人と気が合うってわけでもないんですが、

無意味にニコニコしないのと、ストレートな物言いからでしょうか。

日本では評価されない部分が、外に出ると評価されたりするんですよね。

そんな経験も、日本社会に埋没して自分の個性を全否定せずに

別の視点をもてた理由かもしれません。

ひとつの場所での価値観が世界の絶対的な価値観というわけではない

というのを肌身で感じてきたからです。

 

その他にも、いろんな目に遭ったので、ずいぶんと勉強になりました。

インドでは音の洪水の中で暮らしていたので、日本はものすごく静かに思えるし。

 

子どものころは学校を休んでも気づかれないほど大人しく

学芸会の役割が一人だけ決まっていないのに言い出せずに(誰にも気づかれずに)

どうしたものかとずっと一人でウジウジと悩んでいた子どもが

将来こんなになるとは、誰が想像したでしょう(笑)。

 

おそらく愛着障害もあるだろう私が多少なりともそれを解消できたのも

今は亡き、音楽の最初の師匠のおかげだったと思います。

 

インド映画って大袈裟なようでいて、実際のインドもそんなに違わないと思う。

厄介(ときにはうっとうしい)けれど、人情に厚くて懐の広い人たち。

この映画もそんな人情に、最後は泣けました。

やっぱりインドは好きだなあと思う。

 

 

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 こちらもよろしく。

ガイド 壮年期のアスペルガー症候群:大人になってからの診断は人生をどう変えるか

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こんなのもやってます。