それでも雨が降るときは

ホリスティックに発達障害とつきあう

マインドフルネスブームに想うこと~その1

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この頃はマインドフルネス瞑想が流行っているようですね(もう下火?)。

私もずっと瞑想をやっています。

私がやっているのはヴィパッサナー瞑想というもので、マインドフルネスの一種です。

 

ヴィパッサナーの10日間のコースを初めて受けたのはもう四半世紀も前。

友人がコースに参加したので、その話を聞いて興味本位で受けました。

軽い気持ちで行ったので、きつかったこと(≧◇≦)。

何しろ、10日間、先生への質問以外は話をできず、

お昼以降は夕方の軽食(初心者のみ)だけ、

休憩は入るものの、合計で10時間以上座りっぱなしです。

 

まあ、私は出来の悪い人間なので、1回コースに行っただけで

意識が変わるはずもなく、普段はちっとも瞑想しませんでした。

その後はそれでも2年おきにコースに参加。

5年ほど経ったころからようやく普段の生活でも少しは瞑想するようになりました。

それでもお酒がなかなかやめられなかったので

(お酒と瞑想はまったく相容れないもの)、毎日の瞑想というのは難しかった。

 

でも、ヴィパッサナーというのは本当に強力なんです。

まずは自然な呼吸だけを観察するというアーナーパーナという瞑想を土台にして、

ヴィパッサナーでは頭からつま先まで、全身の感覚をひたすら観察していきます。

周囲から五感を通して刺激が入ったとき、

あるいは心の中で想いや感情が生じたとき、

同時に必ず、呼吸が変化し、身体のどこかに何らかの感覚が生じます。

その感覚が永遠に続かず、移り変わっていくのをひたすら観察するんです。

諸行無常」を自分の身体を通して体験するんですね。

ブッダが悟りを開いたときの瞑想法と言われています。

 

そうすると、お酒が飲みたい、と思うときにも何らかの感覚が

生じていることに気づくのです。胸の辺りがもやもやっとしたりとか。

瞑想も長くやっていると、目を閉じていなくても感覚に気づけるようになるので

お酒が飲みたくなったときに、気づいた感覚に注目していると

その感覚は次第に薄れていきます。

そのときにはお酒が飲みたいという気持ちはなくなっているんです。

 

ヴィパッサナーではよく、「渇望の根っこが取れる」というような言い方をしますが、

私の中のお酒に対する渇望の根っこもいつのまにやら取れてしまったみたいで、

今ではお酒はすっかり受けつけなくなってしまいました。

もう飲まなくなって15年くらいは経つでしょうか。

ノンアルコールビールは飲むんですが、それが引き金になってアルコールを

飲みたくなるようなことは「まったく」ありません。

飲み会に参加しても、つられて飲むようなこともありません。

(まあ、以前は酔っぱらっているから大勢の飲み会に平気で参加できていたので、

今ではめったに参加しなくなったけれど。)

 

そんなふうに、考えてみると長年瞑想することで変わったことがずいぶんありました。

衝動的に何かをしたり何かを言ったりすることも減りました。

行動に出る前に、呼吸が荒くなったことに気づけるので、

ワンクッション置けるのですね。

それと、葛藤保持力のようなものもついたと思います。

白黒思考なアスペは物事をグレーのまま保持するのが苦手ですが、

それもだいぶマシになったんじゃないでしょうか。

 

思えば、始めて5年経ってからは毎年コースを受けていましたし、

20日間や30日の長期コースも受けました。

どれだけやれば何がどう良くなるかというのは、

人によって大きな差があるとは思うんですが、

海外では刑務所で取り入れて再犯率が減ったりしているそうです。

これは、インドの刑務所で取り入れたドキュメンタリー。


一時期は本当に真剣に瞑想していて、マジメに朝晩1時間ずつやっていました

(そうするように言われるので)。

今では、毎日やっているものの、時間はずいぶん短くなりました。

コースにも参加しなくなり、年に1回、3日間自宅でセルフコースをするのみ。

そんなわけで、以前よりは葛藤保持力は弱くなってしまい、

イライラすることも多いです(^^;)。

 

でも、ヴィパッサナーの真価って、人生の辛い時期こそわかるんですよね。

そんなときには、ヴィパッサナーを学んだことは宝だなとしみじみ思います。

 

 

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