それでも雨が降るときは

ホリスティックに発達障害とつきあう

定型発達者の社会で生きる落としどころを探る

定型発達者が大多数の社会で発達障害を抱える人間が生きていくには

結局のところ、ほどよい落としどころを見つけるのがポイントかと思います。

 

定型発達者の視点からすれば、発達障害者はもっとこうすればよい、

こうすべきだ、というのがあるかと思いますが、

こちら側の視点からすれば、がんばろうにも限界もあります

(だから発達障害なんてレッテルがあるわけだし)。

その限界は個人によって違うし、恵まれた環境にあれば、

別にそこまで定型発達者に近づこうと努力しなくたっていいわけです。

 

何をどう工夫して、どこまで理解を求めて、どこまで向こう側に歩み寄るのか。

それは各自で探っていかなければなりません。

 

先日発売された吉濱ツトムさんの

発達障害の人のための上手に「人付き合い」ができるようになる本』は

それを探るうえで大きく役立つ一冊です。

 

発達障害の人のための上手に「人付き合い」ができるようになる本

発達障害の人のための上手に「人付き合い」ができるようになる本

 

 

「人付き合い」とひと口にいっても、学校、職場、夫婦、親子…と

多岐にわたりますが、それが網羅されているだけでなく、

状況別に「定型発達の人の場合」「発達障害の人の場合」というように、

それぞれの捉え方の違いが書かれています。

お互いの考え方の違いが上手くまとめられているので、

タイトルが「発達障害の人のための」となっていますが、

周囲に発達障害者がいる定型発達者にとっても

発達障害者を理解するうえで役立ちます。

 

また、発達障害の特性がどのようにコミュニケーションに

支障をきたしているかも説明されていて、

その対処法も事例と併せて具体的に書かれています。

 

この手の本は、これまでにもたくさん出ていますが、

やはり当事者であり、長年多くの発達障害者を相手にカウンセリングを

行ってきた著者ならではの視点は説得力があります。

 

それほど分厚くもなく、値段も手ごろなのに、

ものすごくお得感のある一冊です。

 

ちなみに、私自身は落としどころとして

「変わっているけど悪い人じゃない」をいつも目指しています(笑)。

昔、霊能力のある人にみてもらったときに

(その手のものは当たり外れが大きいので、めったにみてもらわないのですが)

開口一番、「あなたが人から理解されることはほとんどありません」

と言われてしまいました(本物だ 笑)。

知ってるよ、って(笑)。

 

だから、人から理解され、人気者になることを目指すより、

わけがわからないけれど、悪い人じゃないと思ってもらえれば上出来かなと。

そんでもって、多少は人の役に立てる人間であれたらいいな、とも。