それでも雨が降るときは

ホリスティックに発達障害とつきあう

やらかし防止のために脳の至適な回転速度を保つ

ここのところ、ちょっとした「やらかし」が増えていました。

発達障害者にはお馴染みのアレです。

 

以前に書きましたが、そもそも私は知能検査でも特に

ワーキングメモリが弱いというほどの結果は出ていなくて、

普段はそれほど「やらかす」わけではないのです。

逆に、自閉圏の人間には珍しく、長期記憶の方が問題がありそうだということが

MRI所見でわかりました。

それでも忙しいときにはそうしたことが起こって、

食事の支度のときにレンジを開けたら

前の食事の時に食べるはずだったおかずが入っていたとか

(どうりで何か物足りないような気がしていた)、

ときにはそれが、眼を温めるために使うはずだったタオルだったりとかします

(たったの1分の間にも忘れちゃうことがあるのよね)。

 

この辺はまあ、他人に迷惑をかけるものではなく、

自分でも大して困るようなことでもないので気にしないとして

(私は情緒が安定していれば基本的に楽観的)、

数年に一度、大きなやらかしをすることがあります。

 

大切な約束を一日間違えてしっかりスケジュール表に書き込んでいたり、

電車の中で読書に集中しすぎて、

上野から宇都宮行きの電車に乗ったはずが、

どういうわけか気がつけば高崎の一歩手前、

外房線に乗るはずが、ふと顔を上げたらなぜか内房線の姉ヶ崎、

なんてこともありました(しかも、人と待ち合わせしていた…)。

 

そうしたことはこの頃はそういえばなくなったなあ、なんて思っていたら、

数日前にまた夕飯の時に昼ご飯に食べるはずだったおかずをレンジの中に発見し、

先日は出掛けたときに、地下鉄直通の電車に乗ったはずが

気がついたら直通ではなく終点まで行ってしまい、

慌てて長距離を歩いて乗り換えるはめに。

まあ、結局到着時間は変わらなかったので遅刻はしませんでしたが。

かと思えば、今受けている講座の授業のときに参考図書を持っていくのを忘れたり

(閲覧用のを借りられたので助かったけど)。

 

なんだ、これは?大きなやらかしの前兆か?と思い、

最近はあまり忙しくないので疲れているわけでもなく、

低血糖でもないし、寝不足でもないし、精神状態が悪いわけでもない、

なのに、なんでこんなことが起きるんだ?と考えていたら、理由がわかりました。

 

脳にとってはヒマすぎたのです。

どうやら私の脳は、忙しすぎるときとヒマすぎるときに「やらかす」ようです。

 

ここのところ、納期がタイトな仕事が少なく、余裕がありました。

余裕があると言っても、やりたいことややるべき勉強は山のようにあるので

ゴロゴロすることは決してなく、何かしらやっているのですが、

特に締め切りがあるわけでもないので、どこかのんびり、マイペースモードでした。

それできっと脳がサボり始めていたんじゃないかと思います。

 

「急ぎの仕事は忙しい人に頼め」という言葉をどこかで聞いたことがありますが、

これも要は、忙しい人は脳の回転速度が上がっているから

処理が早いということですよね。

私も忙しくて、これ以上無理!っと思うようなときでも、

急ぎの仕事を頼まれて引き受けるとあっさり片付いちゃうなんてことがよくあります。

 

考えてみれば、てきぱき動いて掃除をしている最中に

隣りの部屋に行ってあれを取ってこようと思ってもすぐに動けますが、

寝っ転がっているときに隣りの部屋に行こうと思ってもめんどくさくて仕方ない。

それと同じです。

 

身体も普段から運動していないといきなり運動しようと思ってもできないように、

脳も普段からある程度動かしておかないと、動いてくれないってことでしょうね。

そして、その適切な回転速度は人によっても、時によっても違うのだと思います。

 

私は子どもの頃から、授業というものが聞いていられなくて、

知らないうちに連想ゲームが始まっていたり、

退屈すると教科書の「田」とか「日」とかの文字の四角い部分を

鉛筆で塗りつぶして遊んだりしていました。

高校の時も、進学校だったので周りは皆、予備校に通っていたのに、

一人だけ家でひたすらドリルをやって勉強していました。

聞いていられないという自覚があったわけではないのですが

自ら向いている方を選んだようです。

 

けれども、ここ数年、久々に勉強というものを始めて、

いろんな講座やセミナーに通うようになりましたが、

不思議とちゃんと聞けているんですよね。

ただ、気づいたのは、のんびり話す講師の人よりも、

ちょっと早くてしっかり聞いていないとついていけないくらいの人の方が

内容が頭に入るんです。

診断のときに、脳波所見からADDは否定されましたが、

ADDだと早すぎるとついていけなくてボーっとしちゃうのかもしれませんね。

私はどっちかというとADHD寄りなんでしょう。

 

そういえば、たまに放送大学を観るのですが、

講師の人がしゃべりが遅くて「あー」とか「うー」とかが多いと、

その隙に連想ゲームが始まってしまうので、

1.2倍で聞くようにしたら聞いていられるようになったことがありました。

 

どうも私には、ちょっと早いな、ちょっと忙しいな、くらいのペースが

脳をサボらせないためにはよいようです。

ストレッチと同じように、ちょっとキツイな、くらいで

無理ない程度にがんばるとキャパも広がるのかなと

 

広がったキャパに合わせて、脳の至適な回転速度も更新して

自覚しないといけないですね。